クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車ジープ コンパスを紹介していこう。第1回目となる今回はマイナーチェンジとなったジープコンパスリミテッドのどこが変わったのかを見ていこう。(Motor Magazine 2021年10月号より)

スポーツ、ロンジチュード、リミテッドの3グレードを用意

久しぶりのジープ コンパスとの再会になる。といっても今回のお相手は、ちょっと大がかりなマイナーチェンジが施された最新型のコンパスだ。

実は、2017年12月から2018年12月にかけての1年間、フルモデルチェンジされた直後のコンパスを長期テスト企画で担当していたのだ。グレードは4WDのリミテッドで、今回から始まる最新型コンパスと同じである。

さて、日本仕様のニューコンパスではスポーツ/ロンジチュード/リミテッドという3車種(※)が用意される。エンジンはすべて自然吸気の2.4L直列4気筒SOHCマルチエア16バルブを搭載、スポーツとロンジチュードがアイシンAW製の6速ATを組み合わせたFFモデル、リミテッドはZF製の9速ATを組み合わせた4WDモデルとなる。ちなみに、これらはマイナーチェンジ前のモデルと同様だ。

※スポーツはすでに販売終了。現在のラインナップはロンジチュードとリミテッドの2車種。

画像: フルディスプレイ化されたメーターパネル、そして中央には10.1インチの大型タッチスクリーンパネルが装備される。

フルディスプレイ化されたメーターパネル、そして中央には10.1インチの大型タッチスクリーンパネルが装備される。

コンパスは、純ガソリンエンジン車である。駆動用に用いる電気モーターやバッテリーは備えておらず、ターボやスーパーチャージャーといった過給器も備えていない。とてもピュアなエンジン車なのだ。これまで担当していたテスト車、PHEV(プラグインハイブリッド)のジープ レネゲードリミテッド 4xeとは好対照とも言える存在だ。

スポーティなサウンドの2.4L自然吸気エンジン

2.4Lエンジンは、まるで1970年代にタイムスリップしたかのような弾(はじ)けるようにスポーティな音を奏でている。以前のコンパスは、ここまで元気に溢れた音だった印象はないのだが、何はともあれ、ちょっと嬉しくなったのは事実だ。

さらに、走らせてみてまた驚いた。以前は、ギアチェンジに多くの疑問を感じていた9速ATが、相当に改良されて、快適性が進化している。スムーズに走らせるには、発進時や変速パターンにあるこの9速AT独特のクセに慣れる必要はまだあると感じられるものの、微細な部分まで気にしなければ、十分に快適だ。これからしばらくの間、楽しみである。

画像: FPT(フィアットパワートレーンテクノロジー社)が開発したマルチエア機構を備える2.4Lエンジンは気持ちいい。

FPT(フィアットパワートレーンテクノロジー社)が開発したマルチエア機構を備える2.4Lエンジンは気持ちいい。

■第1回/2021年8月2日~8月19日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:4682km
・走行距離:1567km
・給油量:149.6L
・実燃費:10.5km/L

ジープ コンパス リミテッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4420×1810×1640mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:直4 SOHCマルチエア
●総排気量:2359cc
●最高出力:129kW(175ps)/6400rpm
●最大トルク:229Nm/1700-3900rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・60L
●WLTCモード燃費:11.5km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):509万円(現在の価格)

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