インドでは700万台以上を販売しているベストセラー
新型「アルト」といっても、日本で2021年末にフルモデルチェンジされた軽自動車のアルトではない。マルチ スズキがインドで生産するアルトは、1983年に生産開始したマルチ スズキ社の第一号車「マルチ800」を原点として進化を続けてきた。同社を代表するモデルの一つとして多くのユーザーに愛用され、2022年7月末までのインド国内におけるシリーズ累計販売台数は700万台に達している。
全長3530×全幅1490mmというサイズは、日本の軽自動車よりわずかに大きい。
インド仕様の新型「アルト」は、主にエントリーカーやセカンドカーを求める幅広い年齢層のユーザーを対象とし、内外装ともにシンプルで愛着のわくデザインとした。
エクステリアは、大型のヘッドランプとグリルを採用することで親しみのある顔つきとし、流れるルーフラインにより、モダンな印象とした。インテリアには、グレー基調にベージュのアクセントカラーを採用し、広々とした空間を演出した。また、ショルダールームやレッグスペースを延長することで、快適性や乗降性を向上させた。ラゲッジルームの容量も従来型より32L大きい214Lを確保し、実用性を高めている。
軽量・高剛性のプラットフォームに1.0Lのガソリンエンジンを搭載して、優れた低燃費と高い走行性能を実現した。また、オートギヤシフト（AGS）仕様も設定し、高いコストパフォーマンスを維持しながらも、ドライバーの利便性を高めている。
グレー基調にベージュのアクセントカラーを採用し、広々としたインテリア。乗車定員は5名。
スズキは、この新型アルトの投入で、インド市場におけるハッチバックのラインナップを強化するとともに、主に初めてクルマを購入する人や、家族のために2台目の購入を検討しているユーザーに対し、経済的かつ高品質なクルマの提供を目指していく。
サイズ的には日本仕様のアルトよりわずかに大きなインド仕様のアルト。日本の保安基準に合わせればリッターカーとして導入すると面白い存在になりそうだが、軽自動車市場に注力しているスズキの方針から考えても、日本への導入はなさそうだ。
■新型アルト（インド仕様） 主要諸元
●全長×全幅×全高：3530×1490×1520mm
●ホイールベース：2380mm
●エンジン：直3 DOHC
●総排気量：998cc
●最高出力：49kW（67ps）／5500rpm
●最大トルク：89Nm（9.1kgm）／3500rpm
●トランスミッション：5速MT／AGS
●駆動方式：横置きFF
●乗車定員：5名
●タイヤサイズ：145／80R13
