近年、圧倒的性能を誇るアストンマーティンの認知度と存在感は驚くほどに増している。これはスポーツモデルの充実だけではなく、初のSUVとなるDBXデビューによる相乗効果だろう。(Motor Magazine 2022年9月号より)
歩みを進める電動化路線。2225年には初のBEVが登場
アストンマーティンDBX707は史上最強のSUVだ。そのV8ツインターボエンジンが発生する最高出力はモデル名と同じ707ps。これにより0→100km/h加速3.3秒、最高速度は310km/hという、まさに規格外の速さを実現している。
実際に試乗するとそうした超ド級のパフォーマンスが信じられないくらい、すんなりと快適に走る。これまで以上に足まわりがしなやかに路面へ追従し、十分に快適な乗り心地を実現。ドライビングモードをスポーツ+に切り替えれば、驚くほどダイナミックな走りを堪能できる。快適な日常性を損なわずにスポーツ性のみ格段に強化された、懐深いモデルなのだ。
最近の動向で気になるのが、CEOのトビアス・ムアース氏が早々と退任したことだ。会長のローレンス・ストロール氏は健在で、経営方針が大幅に変わることはない見通し。
アストンマーティンがF1にワークス参戦することを決めたほどモータースポーツ好きなストロール氏は、新世代のフロントエンジンスポーツカーならびにGTカーを2023年に投入するのに続き、同年の後半にはV8エンジン搭載のヴァルハラがいよいよ登場する。
さらに24年に初のPHEVを、そして25年には初のBEVを発表するなど、電動化にも取り組んでいく計画である。
■DBX 707 主要諸元
全長×全幅×全高:5039×1998×1680mm
ホイールベース:3060mm
車両重量:2320kg
原動機種類:V8DOHCツインターボ
総排気量:3982cc
最高出力:520kW(707ps)/6000rpm
最大トルク:900Nm/2600ー4500rpm
トランスミッション:9速AT
駆動方式:4WD