現行モデル発売日:2022年5月22日
車両価格:239万9100円〜294万300円
戦略価格で登場した日産発の軽EV。走りは余裕の加速と安定感
三菱 eKクロス EVの兄弟車にあたるモデルで、日産では初の軽規格の市販BEVとなる。前輪を駆動するモーターは、最高出力64psと最大トルク195Nmを発生。リーフで培ったモーター制御技術でなめらかな加速を実現した。販売価格は補助金を使うと既存の軽自動車と同じ感覚で購入できるように設定されている。
試乗して興味深かったのは、価格だけでなく走行性能でも、日産の軽自動車のフラッグシップにふさわしい余裕を垣間見せてくれたことだろう。搭載される電気モーターは最高出力こそ自主規制枠内の64psで660cc直3ターボユニットと同等だが、最大トルクはほぼ倍の195Nmに達する。
車両重量はデイズよりも130~140kg重いが、ゼロ発進からラグを感じさせることなく一気に立ち上がるトルク特性はやはり快感だ。思い切りよくアクセルペダルを踏み込めば、瞬間的にシートバックに背中が押し付けられる感覚まで楽しめる。
初速のツキが良いだけでなく、軽い脈動感を伴ったスムーズなふけ上がりや伸びやかな加速感は、昨今のしつけの良いターボユニットに通じる「洗練された速さ」を伴なっているように思えた。もちろん終始ノイズは控えめで、上級感ではターボユニットを凌ぐ。
街乗りレベルの30km/hほどから80km/h程度までの速度域で乗り込んでいっても、とことん落ち着いた挙動を保つ。20kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを床下に配置するのに合わせて、フロアまわりにはデイズに対して剛性材が横方向に3本も追加された。いかにも重心が低くどっしりとした印象だ。
日産 サクラ 主要諸元
●全長:3395mm
●全幅:1475mm
●全高:1655mm
●ホイールベース:2495mm
●重量:1070〜1080kg
●パワーユニット:モーター
●駆動方式:FWD
●トランスミッション:ー
●一充電走行距離:180km
●乗車定員:4名