まずは盛り上がりを見せるキャンピングカー市場で魅力をアピール
フィアット デュカトはステランティス グループのフィアット プロフェッショナルが製造する小型商用車。欧州の小型商用車としてシェア70%を誇るベストセラーで、2020年の世界販売台数は約15万台にものぼる。
日本でもかねてよりRVやキャンピングカーのベース車両として並行輸入されていたが、今年のジャパン キャンビングカーショーで導入が発表されて以来、大きな注目を集めていた。そんな中、今回正式に正規ディーラーが発表されたことで、いよいよ販売が本格的に始まることになる。
ステランティス・ジャパンは今年2月にデュカトの日本導入をすでに発表したが、RVやキャンピングカーのベース車両として想定していることから、既存のディーラーネットワークではなく、全国のプロフェッショナルキャンピングカービルダーなどをとおして販売していくとしていた。
今回正式に販売代理店契約を締結した5社はいずれも全国有数のRV/キャンピングカーメーカーで、今後、デュカトは多彩な架装モデルとして登場することになる。
■フィアット プロフェッショナル デュカト 正規ディーラー
ホワイトハウスキャンパー名古屋(株式会社ホワイトハウス/愛知県名古屋市)
RVランド(株式会社アールブイランド/茨城県常総市)
岡モータース(株式会社岡モータース/香川県高松市)
トイファクトリー(株式会社トイファクトリ/岐阜県可児市)
ナッツ(株式会社ナッツ/福岡県遠賀郡)
全国のRV/キャンピングカーメーカーやショップにとって、これまで事実上ハイエースしかなかったこの市場へのフィアット プロフェッショナル デュカトの参入は魅力的な出来事。全国有数のメーカーやショップが正規ディーラーに名乗りをあげたことからもそれがよくわかる。
一方、ステランティスジャパンとしてはまずは盛り上がりを見せるキャンピングカー市場でデュカトの魅力をアピールし、いずれは販売台数の拡大に応じてネットワークを拡大していくということだろう。
2.3Lのディーゼルユニットを搭載。「経済性」も期待できそうだ
日本に導入されるフィアット プロフェッショナル デュカトは、標準タイプ、ロングホイールベース仕様、ハイルーフ仕様の3つのボディバリエーションが用意される。
全長5.4〜6.0m、全高2.5〜2.8mと、RVキャンピングカーのベース車両としていずれもジャストサイズ。スタイルはモノフォルムのバン形状で、もちろんハンドル位置やサイドスライドドアは日本市場にあわせて変更されている。
日本仕様のパワートレーンは3モデル共通で、最高出力178ps/最大トルク450Nmを発生する2.3Lのディーゼルターボエンジンに9速ATを組み合わせ、前輪を駆動する。
インテリアでは、運転席と助手席には180度回転可能なキャプテンシートを採用。停止時には完全に後方に向けることが可能で、キャンピングカーとしての使い勝手に優れる設計となっている。
インパネはフルデジタルで、キーレスエントリー&ゴー、電動パーキングブレーキ、10.1インチのタッチスクリーン、ナビゲーションシステム、スマートフォンとのリンク&ワイヤレス充電機能なども備えるなど、乗用車ライクな設計だ。
フィアット プロフェッショナル デュカトはキャンピングカーのほか、デリバリーや輸送、送迎など、多種多様な使われ方がされそうだが、正規ディーラーとなった各社は早くもデュカトのカスタマイズに着手しているようで、来年2月に幕張メッセで行われる日本最大のキャンピングカーイベントである「ジャパン キャンピングカーショー2023」でさまざまな個性のデュカトが登場することになりそうだ。