発売開始から1カ月も経っていないというのに、早くも受注が4万台を突破したといわれている新型シエンタ。その人気の秘密を探るべく試乗してみることにしよう。

目指したのは「どこに置いても馴染むデザイン」

画像: 全長とホイールベースは従来型と同じ。全高を20mm高め、ボンネット前端も高めて車両感覚をつかみやすくしている。

全長とホイールベースは従来型と同じ。全高を20mm高め、ボンネット前端も高めて車両感覚をつかみやすくしている。

従来型シエンタのデザインも嫌いではなかった。ちょっとトンガった、アクの強い顔つきにデビュー当初は賛否両論あったが、見慣れていくと気にならなくなった。新型はCMにもあるように「犬」をイメージしたのか、なんとなく可愛げのある顔に、あえてモールやバンパーに黒い樹脂を用いたツール的な印象も、いい感じだ。

デザインを統括した加藤孝明 主幹は「どこに置いても馴染む、そんなデザインを目指しました」と語る。たしかに、都会の街中でも、自然の中でも、まわりと調和する違和感のないデザインだ。いまのところシエンタは日本仕様だが、海外の街並みに駐めても似合いそうだ。アースカラー的なボディカラーも、その印象を強くしている。

今回は、ハイブリッドのFFとE-Four、そしてガソリンの3モデルに試乗できた。いずれも7人乗りの最上級グレード「Z」だったので、内外装などの装備に大きな違いはない。市街地を中心に、少しだけ首都高速も走る。それもおとな2〜4人での乗車だから、シエンタの日常使いには比較的近いシチュエーションといえるだろう。

チルト&テレスコピック ステアリングとシートリフターなどのおかげで、ドライビングポジションは決めやすい。従来型とサイズはほとんど変わっていないのだが、ボンネット前端が少し高められたので車両感覚がつかみやすい。この手のミニバンは、スーパーやファミレスの駐車場とか脇道とか、チョコチョコと走る機会も多そうだから、これはけっこう重要なポイントだ。

運転席と3列目シートで普通に会話ができる!

画像: レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストにより、車間やレーンをキープして快適に走ってくれる。

レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストにより、車間やレーンをキープして快適に走ってくれる。

まずはハイブリッドのFFで走り出す。ドライブモードはノーマル/エコ/パワーと備わるが、市街地走行はノーマルならもちろん、エコでもけっこう走る。パワーではそれなりに力強く加速するが、高速道路の合流や急な登坂時以外は無理に使わなくても十分だろう。

ハイブリッドの制御は従来型より進化したようで、モーターのアシストも自然でスムーズだ。9月とはいえ気温がけっこう高く、ゴーストップの多い市街地走行ではあまり充電もできないので、エンジンは早めに始動したが、それでも室内騒音が低いのには感心した。市街地走行はもちろん、首都高速を走っていても、3列目シートに座ったパッセンジャーとドライバーとで普通に会話ができる。

乗り心地も悪くない。今回は比較的いい路面ばかりの試乗だったけれど、1列目はもちろん2列目もけっこう快適、そして3列目もフットスペースは少し狭いがヘッドスペースは十分だし、リアアクスルのほぼ上に座っているにもかかわらず突き上げ感は少ななかった。

また、従来型とサイズは変わっていないのに、室内は広くなった感じがする。これは2列目だけでなく、3列目に座っても感じられる。頭上だけでなく上側方のヘッドクリアランスが広げられたことも奏功しているのだろう。

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