旅の醍醐味を満喫して実感したロングドライブの疲れにくさ
2日目の宿泊地は富山と決まっていた。「そういえば、富山にはかつての同僚が住んでいるはず・・・」。そう思って連絡を取ってみると、彼女の仕事が終わるタイミングと我々の撮影のスケジュールがぴたりと合って、親不知あたりで再会できることになった。これも旅の醍醐味といえるだろう。
聞けば、首都圏で長く続けてきた編集・執筆業にひと区切りをつけ、いまは地元・富山で農業を学び、ブルーベリー園の設立を目指して準備中という。彼女のアクティブな生き方に強い刺激を受けた取材班は、「もうすぐ陽が沈んじゃいますよ」という彼女の言葉でハッと我に返り、慌てて日没のシーンを目指したのである。
そう、今回の旅の目的のひとつに「日本海の落陽に臨む」があった。幸い、西の空は雲に切れ間があり、赤い空が見えている。魚津市の海岸沿いで撮影ポイントをなんとか探し出し、カメラマンが手早く撮影してくれたおかげで日本海の美しい残照を捉えることができた。WRX S4の軽快なフットワークに深く感謝しつつ、取材班は富山に向けて走り続けた。
宿に到着したのは夜8時半過ぎで、目指す回転寿司店はすでに閉店していたが、それでも近くの居酒屋で海産物に舌鼓を打ち、幸せな心持ちで眠りについた。
3日目、取材班はさらに西を目指して能登半島国定公園の雨晴海岸で美しい景色を写真に収めた。ここでWRX S4の直進性について触れておくと、高速道路ではクルマ自身が進んで直進しようとするだけでなく、荒れた路面でもハンドルを修正する必要性がほとんどない点も印象的だった。これこそ、スバルの技術者が語っていた「水平対向エンジンの生み出す直進性」なのかもしれない。
また、ペダルレイアウトにオフセットが少ないため、腰をひねることなくドライブできる点も疲労軽減に役立っている印象だ。あたり前のことながら、この辺を実現できているクルマが意外と少ないのが実情といえる。
取材班は石川県の長手島で撮影を終えた後、近くの食堂で名物の岩牡蠣を奮発してから一路、東京へと戻った。最終的に車両を返却するまでに走った距離は1000km強。2日半という日程で、WRX S4の「ロングドライブで疲れにくい性能」を満喫できたことは事実だ。そしてここに、シンメトリカルAWDやアイサイトというスバル独自のテクノロジーが貢献していたのも明らかである。
そして我々は改めて思ったのである。「ロングツーリングもまた、楽しからずや」と・・・。(文:大谷達也/写真:永元秀和)
■スバル WRX S4 STI スポーツR EX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4670×1825×1465mm
●ホイールベース:2675mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:対4DOHCターボ
●総排気量:2387cc
●最高出力:202kW(275ps)/5600rpm
●最大トルク:375Nm/2000-4800rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・63L
●WLTCモード燃費:10.8km/L
●タイヤサイズ:245/40R18
●車両価格(税込):477万4000円
■スバル WRX S4 GT-H EX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4670×1825×1465mm
●ホイールベース:2675mm
●車両重量:1590kg
●エンジン:対4DOHCターボ
●総排気量:2387cc
●最高出力:202kW(275ps)/5600rpm
●最大トルク:375Nm/20000-4800rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・63L
●WLTCモード燃費:10.8km/L
●タイヤサイズ:245/40R18
●車両価格(税込):438万9000円