「先進的整備技術」の存在を知っておこう
少し前の調査レポートになるが、2018年に独立行政法人 国民生活センターが発表したデータによれば、先進安全装置の不具合に関する一般ユーザーからの相談件数が、年々増加しているという。オーナーに対するアンケートでは、2割が実際に「想定外のトラブル」に見舞われ、うち2割が物的損害を被っている。5年前ですでにその状態なのだから、さらに普及が進んだ今はもしかすると、さらにトラブルが増えているかもしれない。
繰り返しになるが「ハンズ・オフ機能」はとても便利だし今後、BMWに限らず様々なブランドで、ますます適用車種は増えていくことは間違いない。たとえばフォルクスワーゲンは、その関連会社Cariadがドイツの大手自動車サプライヤーBOSCHとともに、全車種向けに手放し機能を展開する計画を明らかにしている。
2023年からの搭載を目指したこの動きは、高級車だけでなくいわゆる「大衆車」クラスにもレベル2の自動運転機能が搭載される流れを生み出すことだろう。しかもBOSCHのハンズ・オフは、高速道路だけでなく都市部や郊外でも使用可能なものになる、と言われている。ここ数年で新車だけでなく、中古車市場におけるレベル2機能搭載車の存在感は、一気に拡大する可能性を秘めている。
そうなった時に愛車の安全性能をしっかり担保する責任を負うのは、オーナーに他ならない。だからこそ、トラブルにつながりかねない不安要素は、しっかり取り除いておきたい。便利な機能を日常的に安心して使い続けるために、これまでとは違った「機能に対する心配り」が必要なのはそのためだ。
各種のカメラを始めとするセンサー類のキャリブレーションには、設備や環境が整い、高度な機能を適切にチェック、調整できるノウハウを持ったプロショップに任せるのがもっとも安心だ。作業の記録を明記した「エビデンス」を提供してくれる業者なら、なお良い。
ホンダ・レジェンドのように、SAEレベル3の自動運転機能が認可されるケースも出てきた。中古車選びでも技術の進歩の恩恵をしっかり受けるために、「ADASエーミング」や「OBD診断」といった、先進安全機能の信頼性を担保してくれる整備技術を持ったプロショップがあることを、覚えておいて欲しいと思う。