2009年10月、スズキは東京モーターショーで新型車「キザシ」を突如発表して世界を驚かせた。小型車を得意とするスズキが強豪ひしめくプレミアムセダン市場に打って出た意欲作はどんなクルマだったのか。Motor Magazine誌ではデビュー後まもなく試乗テストを行っている。ここでは発表直後に行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年1月号より)

新しいクルマ作りに挑戦

キザシは、これまでコンパクトカー作りに定評のあるスズキから、メーカー初となるDセグメントセダンとして登場した。

スズキのフラッグシップとして、グローバルにブランドイメージを向上させるという意味で、重要なクルマとなることは間違いない。日本以外では、北米での販売がすでに決まっている。欧州市場に関しては未定とのことだが、ニュルブルクリンクでテスト走行を行ったということもあり、投入される可能性は高い。

そんなキザシは、全長×全幅×全高が4650×1820×1480mmというサイズを与えられた。これは、同じく4540×1800×1440mmのBMW3シリーズを、全長と全幅で上回る堂々としたものだ。

搭載エンジンは、2.4L 直4DOHCで、6速マニュアルモード付CVTと組み合わされる。このエンジンは、エスクードと同じJ24B型だが、インテークバルブリフト量の拡大やスロットルバルブの大径化、シリンダーヘッドのエキゾーストポート形状の改善などにより、最高出力はプラス22psの188ps、最大トルクはプラス0.6kgmの23.5kgmと数字を伸ばしている。

駆動方式はFFと「i-AWD」と呼ばれる4WDを選択することができる。i-AWDは、路面状況やアクセル開度、ステアリング舵角といった情報をもとに、前輪がスリップする前に後輪に適切なトルクを配分するというもの。さらに、このi-AWDと電動パワーステアリングを同時に制御する「車両運動協調制御システム」を組み合わせて搭載、アンダーステアやオーバーステアを抑える。FFの場合、車両運動協調制御システムは電動パワーステアリングのみを制御する。

エクステリアは、SX4にも通じたフロントマスク、張り出したフェンダー、リアバンパーに埋め込まれた左右2本出しのマフラーなどによって、スポーティさに満ちている。それでいて、全体的にはセダンらしく落ち着いた雰囲気をも持ち合わせているのだ。

インテリアは、室内色がブラック基調となっており、要所にあしらわれるクロームや、レザーが標準となるシートと合わせて高級感がある。このシートはサイズも大きく、座り心地もいい。リアシートに移ってみても、フロントシートバックがえぐられていることもあり、足もとはもちろん、頭上、横幅と広さに不満はなかった。トランクは、通常時でもゴルフバッグが4つ入る広さを確保しているという。さらに容量が必要な場合は、6:4分割可倒のシングルフォールドタイプであるリアシートを倒せばいい。

画像: スズキが初めてDセグメントセダン市場に挑戦したプレミアムセダン「キザシ」ワングレードで、FF仕様と4WD仕様を設定。

スズキが初めてDセグメントセダン市場に挑戦したプレミアムセダン「キザシ」ワングレードで、FF仕様と4WD仕様を設定。

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