画像: カーリースの残価設定「オープンエンド」と「クローズドエンド」をわかりやすく解説

カーリースの残価設定にはオープンエンド方式」と「クローズドエンド方式」の2つの契約方法があり、どちらにもメリットとデメリットが存在します。ここでは、契約方法で何が違うのか詳しく解説し、それぞれに向いている契約方法もお伝えします。

カーリースの残価設定には、オープンエンド方式とクローズドエンド方式の2種類が用意されています。どのカーリース会社でも選べるわけではありませんが、この2つの契約方法が用意されているなら、自分に合った契約にしなければ大きく損をする恐れもあります。

オープンエンド方式は、残価を公開して契約者も残価設定が可能になることです。残価設定を高くすれば月額利用料を安く抑えられますが、返却時に残価を下回る査定額の場合、追加費用が発生するリスクがあります。

クローズドエンド方式は、残価が非公開になるので月額利用料は高めになる場合が多いでしょう。しかし残価はリース会社の責任なので、返却時に追加精算がありません。

このように大きな違いがあるオープンエンド方式とクローズドエンド方式ですが、もう少し掘り下げて、わかりやすく解説します。それぞれのメリットやデメリット、そしてどのような方に向いているのかも併せて詳しくお伝えします。

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カーリースのオープンエンドとクローズドエンドの違い

自分のクルマのように新車を利用できるカーリースですが、多くの場合、あらかじめ設定した残価を差し引いた価格を支払うことで、月額利用料を抑えるシステムを取っています。この残価設定には以下の2種類があります。計算方法が異なるので契約内容も異なります。

  • オープンエンド方式・・・残価を公開する方法
  • クローズドエンド方式・・・残価を非公開にする方法

オープンエンド方式・・・残価を公開する方法

【ワンポイント解説】オープンエンド方式とは

  • 残価を高く設定できるので、そのぶん毎月の支払いを抑えることが可能
  • 残価を高くすると価値の維持が難しいので、返却時に下回れば追加精算が必要になる

カーリースの残価設定の一つオープンエンド方式は、契約時に決める残価と、契約終了時のクルマの残価の両方を公開するので、オープンエンドと呼ばれます。

主な特徴は、契約者の同意のもと残価設定が可能なので、残価を高くして月額利用料を抑える契約ができます。その反面、残価を高くし過ぎると、契約満了時にクルマの価値が残価を下回ったときは追加で精算が発生する弊害も発生します。

オープンエンド方式は契約者に残価を開示して、契約者同意のもと残価を設定するシステムなので、契約満了時の残価精算責任は契約者になります。

クローズドエンド方式・・・残価を非公開にする方法

【ワンポイント解説】クローズドエンド方式とは

  • 残価はユーザーに公開されず、一般的には低めに設定されている(そのぶん毎月の支払いが高くなりやすい)
  • 公開されないぶん、残価に対してユーザーに責任はなく、返却時に下回っても追加精算が不要

クローズドエンド方式は、設定される残価を契約者に一切公開しないクローズ方式なので、クローズドエンドと呼ばれます。

クローズドエンド方式では、契約時に設定された残価も返却時の実際のクルマの価格も公開されないので、実際にどれだけ差が出ているのか契約者にはわかりません。一方、残価精算の責任はカーリースにあるので、契約者は契約満了時に精算する義務はありません。

残価精算の責任がカーリースになるクローズドエンド方式では、リース会社がリスクを考えた残価設定をするので、オープンエンド方式より設定額は低めになります。

オープンエンド方式のメリットとデメリット

オープンエンド方式にはメリットもデメリットもあります。その主な内容は以下のとおりです。

【オープンエンド方式のメリットとデメリット】

メリット・残価を高くできるので月額利用料が安くなる
・残価が開示されるので実際のカーリース料金がわかる
デメリット・残価が実際の価格を下回ると精算が発生
・契約満了まで残価の動向が気になる

オープンエンド方式のメリット

オープンエンド方式は残価設定を公開するので、その特徴を生かしたメリットがあります。上手に利用すれば月額利用料金を抑えて、かなりお得に新車に乗れます。

契約満了時にも残価を公開するので、最終的にリース車を自分で買い取れるのもオープンエンド方式の魅力の一つでしょう。

残価を高くできるので月額利用料が安くなる

オープンエンド方式は、残価を契約者同意のもとで決めるので、契約者が高く設定することも可能です。高く設定すれば、それだけ支払う金額は少なくなるので毎月の支払い負担が軽くなります。

もちろん自分で残価を設定できるので、契約満了時を見据えて低く設定することも可能です。月額利用料は少し高めになりますが、契約満了時の残価が低いので、最終的にクルマを気に入っていれば買い取る場合も少ない金額で済みます。

自分で残価を決められるということは、将来的な買取金額の見通しもつくので、特にリース終了後に買い取ることを考えているなら、大きなメリットになるでしょう。

残価が開示されるので実際のカーリース料金がわかる

残価が開示されるということは、実際に支払う利用料の透明性が高くなるので、安心して支払いを続けられます。

カーリースでは残価を設定しますが、例えば300万円のクルマを5年リースする場合、5年後の残価設定は契約者と一緒に決めます。そこで150万円と決めれば、残り150万円を経費と一緒に毎月利用料で支払うことがわかります。

クルマの価値がわかると、その金額に見合うよう大切に扱う方も多くなります。一方、毎月の利用料しか知らされないと、クルマにどれだけの価値があるのかわからないので、大切に扱わない場合も見られます。

クルマの価値が理解できれば、実際にクルマに乗ったときの状態と照らし合わせ、契約満了時に買い取るか、それとも再リースするか、はたまた返却するのか、選びやすくなるでしょう。

オープンエンド方式のデメリット

オープンエンド方式は、自由に残価を決められるメリットが逆転してデメリットになる恐れがあります。契約満了時における実際のクルマの価値が100%わかる人はいません。そのため、多少のリスクがある点がデメリットと言えます。

また、残価が開示されるほか、契約終了時に査定して実際の査定額も公開されます。金額の値動きを気にする人は、もどかしい気持ちになるでしょう。

契約満了まで残価の動向が気になる

残価を高く設定していると、クルマの程度が良くなければ契約満了時の査定で残価を上回ることは難しくなります。そこで、普段の使用もかなり気を遣ってしまい、クルマの使用に対して神経質になるデメリットがあります。

例えば、クルマを使用して家に戻ってクルマを点検したとき、ほんの些細な擦り傷ができているだけで、残価に影響しないか気になってしまうこともあるでしょう。また、車内もできるだけ汚さずに使用しなければ残価に影響しますから、汚れるような使い方もできません。

余りにも神経質になりすぎると、クルマを自由に使いづらくなりますから、この点がデメリットになり得るでしょう。

残価が実際の価格を下回ると精算が発生

オープンエンド方式で一番のデメリットは、契約満了時に残価を下回ると差額を支払う必要がある点です。クルマに「傷」「へこみ」「内装の汚れ」があることで査定が下がった場合は、残価設定の差額分のほかに、原状回復の費用も支払う必要があります。

残価設定は、未来の下取価格を予想して決めますが、高くすれば毎月の支払額は抑えられ、日々の生活の負担は軽減されます。しかし月額利用料を安くし過ぎると、契約満了時に多額の差額分を請求されることも少なくありません。

例えば、300万円のリース車の残価設定を150万円とした場合、残り150万円を毎月の利用料で支払うことになります。そして契約満了時に査定したとき、100万円の価値しかないと査定されると、残りの50万円を一括で支払う必要があります。

クルマの残価設定での差額は、数千円で済むような金額ではありません。多くは数十万円の差額になるので、オープンエンド方式は契約者への金銭負担が大きなデメリットになります。

クローズドエンド方式のメリットとデメリット

クローズドエンド方式は、リスクが低いと言われる契約方式なので、メリットが大きいと思われやすいですが、そんなことはなくデメリットもあります。

【クローズドエンド方式のメリットとデメリット】

メリット・残価の動向を気にせずクルマに乗れる
・契約満了時に残価精算がない
デメリット・オープンエンドに比べてリース料が高め
・残価設定は契約者が決められない

クローズドエンド方式のメリット

クローズドエンド方式は、残価精算の心配がないことから精神的負担がないので、気軽にカーリースを利用できるでしょう。

リース会社が契約満了後の残価精算の責任を負っているので、クルマの価値が下がっても契約者には何も負担が無いことが大きなメリットです。

残価の動向を気にせずクルマに乗れる

残価設定が契約者に公開されない代わりに、残価責任の所在がカーリースになるので、契約者は残価を気にせずクルマに乗れます。

クルマの価値は常に変動していますが、どんなに相場が変動しようと契約者には関係ありません。つまり、契約満了時の精算を気にする必要がないので、本当に自分のクルマのように気兼ねなく利用できます。

契約満了時に残価精算がない

残価設定カーリースでは、契約満了時に精算が発生すると言われますが、クローズドエンド方式なら車両に損傷などがなければ残価精算は一切ありません。

契約者は、リースアップ後にはそのままクルマを返却するだけで終わりですから、金銭的リスクが非常に少ないと言えるでしょう。

極端に言えば、契約満了時に下取り価格が0円になっていても、契約者の負担はありません。

クローズドエンド方式のデメリット

クローズドエンド方式は、契約満了時に金銭的負担がほぼないことからデメリットがないように思えますが、リース料金がオープンエンドと比べ高めになることがデメリットです。

このほか、クローズドエンド方式では残価設定が公開されないので、契約満了時にクルマが気に入っていても買い取れません。

オープンエンドに比べてリース料が高め

クローズドエンド方式は、残価の責任がリース会社になるので、残価設定はリスクを考えて低めに設定しています。そのため、オープンエンド方式と比べると月額のリース料が高めになるデメリットがあります。

残価設定は、契約満了後にどれだけクルマの価値が残っているか、あらかじめ決めるためのものであり、それぞれのリース会社独自のノウハウで決定します。そのため同じクルマでも、クローズドエンド方式のカーリースの月額利用料を比べると、費用に違いが見られます。

どのカーリースも残価設定は低くしますが、クルマによっては残価0円に設定するクルマやリース会社もあります。当然、いくらで設定されているかは契約者にはわかりませんが、リース料が高めの場合は残価が低いと判断できるでしょう。

契約満了後の買取が不可

クローズドエンド方式では残価設定が公開されないので、契約者が残価を決められません。そのため、契約者が月額利用料を安くするための契約交渉ができません。

残価が公開されないので、クルマの価格は契約満了時にいくらになったかも知らされません。よって、契約満了時にクルマが気に入っている場合は契約延長のみ可能であり、買取はできません。

残価設定リースで契約満了後に精算が発生するケース

残価設定リースでは、契約満了時にどのようなプランで契約していても精算が発生する恐れがあります。その主なケースは以下の4つです。

  • ①クルマにへこみや傷がある場合
  • ②クルマの汚れがひどい場合
  • ③契約満了時にクルマの価値が下落した場合
  • ④走行距離が制限を超えた場合

①クルマにへこみや傷がある場合

カーリースは、自分のクルマのように利用できても、基本はレンタル商品なので借り物です。そのため、返却時はリース開始時点と同じ状態に戻すのが基本です。

しかし、走行していると損傷が発生するリスクは必ずあり、傷やへこみなどの状況では精算が必要になります。たとえ自分が注意していても、相手からクルマを擦られることも全くゼロではありません。傷やへこみのリスクを理解しておくことがポイントです。

クルマに損傷があると、クルマの残価を下回る査定になる場合が殆どです。そのため、契約満了時にクルマを査定して、傷やへこみがあれば修理費が請求されます。

ただしカーリース会社によっては、傷やへこみをカバーする保険を用意しているので、返却時のリスクを少しでも軽減させるなら、専用の保険に加入すると良いでしょう。

②クルマの汚れがひどい場合

クルマを使用していれば内外装は汚れますが、汚れを放置して酷くなっていると、カーリースの返却時にクリーニング費用が請求されるでしょう。

外装の汚れの種類として、泥汚れなど簡単に洗車で落ちる汚れなら問題ありませんが、水垢汚れがひどい場合は、磨き作業が必要と判断されて追加料金が発生します。

また車内の場合は、汚れプラス臭いも返却時に問題になるでしょう。臭いは汚れが原因なので、汚れを綺麗にすればある程度の臭いは除去できますが、中古車として価値を著しく落とすような臭いが付着していると、臭い消しの実費が請求されます。

なおカーリースでは、禁煙やペット同乗不可としていることがほとんどなので、約束事を破って使用すると、各社が定める違約金が発生します。

返却時に精算の必要がないクローズドエンド方式でも、クルマが汚れて商品価値が著しく下がっている場合は話が別になります。契約内容に関わらず、返却時には汚れによる精算が発生する可能性がある点に十分注意してください。

③契約満了時にクルマの価値が下落した場合

クルマの価値は、契約時に決めた残価を下回ると精算が発生します。オーナーの使用方法で著しく残価が下落すると、契約方法に関わらず精算しなければなりません。

クルマの残価は、リースした時点と同じ状態で使用を続けた場合を想定しています。経年劣化以外の消耗などは残価設定では考慮されません。

そのため、一般的なクルマの使用方法と異なるサーキット走行やオフロード走行をメインに使用した場合や、クルマに様々なカスタムを施し純正に戻しても弊害が残っている場合は、価値が下がります。

例えばチューニングなどをしていた場合、エンジンにかかる負担が著しく大きくなります。同じ走行距離や使用年数のクルマと比べて、エンジン音が大きくなっていたり、走行性能が低下するような使い方をしていると、返却時の査定で追加料金を請求されます。このほか、エアロパーツなどをボディに加工して取り付けたり、車高を落とすときフェンダーに加工すると、同じく追加料金が発生します。

④走行距離が制限を超えた場合

走行距離が伸びるほどクルマの価値を下げるので、残価設定カーリースでは走行距離制限を設けて残価を守っています。よって、返却時に規定の走行距離を超えていると追加料金が発生します。

走行距離制限は、オープンエンド方式にもクローズドエンド方式にも設けられているルールです。基本的に返却時の精算が必要ないクローズドエンド方式でも、制限をオーバーすると追加料金を請求されます。

走行距離制限は、リース会社ごとで決められていますが、おおむね月あたり1000km~2000kmに設定しているリース会社が多いです。精算方法は、契約期間中の総走行距離で計算するリース会社が多いので、ある月に規定の2倍以上走行しても別の月で相殺できれば問題ありません。

走行距離の超過分の計算もリース会社で異なりますが、1kmあたり3円~10円で計算されることが多いでしょう。例えば、返却時に2万kmオーバーしていた場合で、1kmあたり5円で計算すると、10万円の追加料金が請求されるでしょう。

オープンエンド方式とクローズドエンド方式、それぞれに向いている人

残価設定のオープンエンドとクローズドエンドは、それぞれメリットとデメリットがあるので、それぞれに向いている人がいます。そこで、残価設定カーリースを選ぶなら、自分がどのタイプなのか認識しなければ、リース契約後に大きく損をするので注意しましょう。

オープンエンド方式が向いている人

オープンエンド方式に向いている方は、クルマの相場がわかり、しかも丁寧にクルマを使用できる人です。このほか、契約満了後に返却ではなく買取を考えている方もオープンエンド方式に向いているでしょう。

クルマの相場は、中古車買取相場を参照すればある程度参考になります。ただし、自分と同じ車種だけでなくクルマの状態も考慮して調べる必要があるので、クルマにある程度詳しくなければ相場を知ることは難しいでしょう。

また、相場がわからなくても丁寧にクルマを使用できる方は、クルマの価値を落とさずに契約満了まで乗り続けられるので、オープンエンド方式が向いていると言えます。

運転が上手い方は勿論ですが、普段から丁寧な洗車を心がける方で相場もわかるようなら、オープンエンド方式で契約しても損はしないでしょう。

クローズドエンド方式が向いている人

クローズドエンド方式が向いている方は、クルマに詳しくない人で、面倒なことはできるだけやりたくない方や、カーリースを初めて利用する方です。

特に初めてカーリースを利用したい方は、カーリースのルールが難しいので、返却時に精算のリスクが少ないクローズドエンド方式が向いています。

また相場を自分で決められない方など、契約から返却まで安心して利用したいなら、追加精算の心配がないクローズドエンド方式が良いでしょう。

まとめ

残価設定カーリースには、オープンエンド方式とクローズドエンド方式の2種類の契約方法が用意されています。オープンエンド方式は返却時に残価精算リスクがありますが、クローズドエンド方式は契約者に残価精算の負担はありません。よって、契約者側のリスクが少ないのはクローズドエンド方式なので、安心してカーライフを楽しみたい方に向いています。

クルマに詳しくて、相場も熟知しているのであれば、オープンエンド方式を選ぶと、かなりお得にカーリースを利用できます。

残価設定カーリースは、残価設定で月額利用料が異なり、オープンエンド方式とクローズドエンド方式の選択次第で、月額利用料も返却時のリスクも異なります。利用者は総合的に判断して、自分に合った契約方法を選ぶようにしましょう。

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