2022年10月28日(日本時間10月29日)、F1第20戦メキシコGPがアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開幕する。毎年大きな盛り上がりを見せるメキシコGP、今年の見所をチェックしてみよう。

ランキングの上位争いは拮抗

3月に始まった長いシーズンもメキシコGPを含めて残り3戦、ドライバーズチャンピオン、コンストラクターズチャンピオンともにすでに決定したが、ランキングの上位争いは拮抗しており、目が離せない戦いが続いている。

■2022年 F1スケジュール

第20戦:メキシコGP(10/28〜10/30)
第21戦:ブラジルGP(11/11〜11/13)
第22戦最終戦:アブダビGP(11/18〜11/20)

注目は前戦アメリカGPで久々に優勝争いを展開したメルセデス勢。ルイス・ハミルトンがあわや優勝という場面を作り出し、ジョージ・ラッセルがファステストラップを奪うなど、シリーズ終盤になってようやくメルセデスが目を覚ましたようだ。

ドライバーズ部門では、シャルル・ルクレール(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)の2位争い、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の4位争いの行方は予測不能な状況だ。

記録という点では、ミハエル・シューマッハの最多記録シーズン13勝目に並んだフェルスタッペンがどこまで勝利を伸ばすかも注目。最高勝率記録更新もあるかもしれない。ただ、ライバルもだまって見ているわけにはいかないとことろだ。

■2022年 F1ドライバーズランキング(第19戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)391
2位 C.ルクレール(フェラーリ)267
3位 S.ペレス(レッドブル)265
4位 G.ラッセル(メルセデス)218
5位 C.サインツ(フェラーリ)202
6位 L.ハミルトン(メルセデス)198

コンストラクターズ部門もわからなくなってきた。2位をめぐる戦いはフェラーリが有利であることに間違いはないが、アップデートで速さを取り戻したメルセデスの勢いは脅威となりそうで、逆転の可能性も出てきた。また、そのうしろ、アルピーヌとマクラーレンの戦いも緊張感がある。

その戦いを後押しするのが熱狂的なメキシコのF1ファン。とくに地元出身のペレスへの声援は凄まじく、スペイン出身のサインツ、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)の人気も高い。

■2022年 F1コンストラクターズランキング(第19戦終了時)

1位 レッドブル 656
2位 フェラーリ 469
3位 メルセデス 416
4位 アルピーヌ・ルノー 144
5位 マクラーレン・メルセデス 138

高地に位置するため空気が薄いことが特徴

では、メキシコGPが行われるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキット(Aut dromo Hermanos Rodriguez)はどんなコースなのだろうか。

最大の特徴は、標高約2300mの高地に位置するため空気が薄いこと。これはエンジン性能や空力特性に大きな影響を及ぼすだけでなく、ドライバーにとっても体力的に大きな負担となる。

具体的には、空気抵抗の減少によりストレートスピードが上がる一方で、ダウンフォースが減少することでコーナリング時のグリップが低下し、ブレーキに負担がかかる。また、酸素が少ないため燃焼効率が低下しエンジンパワーも落ち、冷却効率も落ちることになる。

もともと野球場だった大きなスタンドを生かして設計し直されたコースは、長い直線2本があるセクター1、中速コーナーが連続するセクター2、低速コーナーが中心となるセクター3で構成される。さまざまな要素が組み合わせたバランスのいいコース設定だ。

空気抵抗が小さいためホームストレートエンドで最高速360km/h以上に達する一方、減速に必要なダウンフォースも少ないためブレーキングが長くなる。また、ピットレーンが650mと長いためピットでのタイムロスが大きいこともポイントとなる。

画像: 圧巻のスタジアムセクション。観客席に囲まれた独特の空間をF1マシンが駆け抜ける。

圧巻のスタジアムセクション。観客席に囲まれた独特の空間をF1マシンが駆け抜ける。

画像: アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットのコース図。さまざまな要素が組み合わせたバランスのいいコース設定だが、それ以上に空気の薄さがポイントとなる。

アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットのコース図。さまざまな要素が組み合わせたバランスのいいコース設定だが、それ以上に空気の薄さがポイントとなる。

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