クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車ジープ コンパスを紹介していこう。今回は10カ月に渡ってレポートしてきた、これまでの総集編をお届けしよう。(Motor Magazine 2022年8月号より)

1日平均約50kmの走行をこなしたコンパス

マイナーチェンジした現行型ジープコンパスの長期テストは、前号をもって区切りとなった。今回は、これまでの総集編という形でレポートしてみよう。

画像: 基本プラットフォームはレネゲード、フィアット500Xなどと共通だ。

基本プラットフォームはレネゲード、フィアット500Xなどと共通だ。

テストした期間は2021年8月2日から22年5月30日までのほぼ10カ月間で、日数では301日となる。この期間の総走行距離は1万4949kmで、仮に毎日稼働していたとすれば1日あたりほぼ50km走行したという計算になる。

そして、給油した燃料の総量は1403.5Lなので、総平均での燃費はおよそ10.6km/Lとなる。カタログデータではWLTCモード燃費で11.5km/Lだが、取材などで市街地から高速道路、急峻なワインディングロードなどまで駆け抜けた長期テスト車の平均値としては、まあ納得できるものだろうという感じだ。

3グレードで最上位グレードのリミテッド

テスト車のコンパスは3グレードが用意される中で最上級グレードとなるリミテッドで、搭載するパワートレーンは最高出力129kW(175ps)/最大トルク229Nm(23.4kgm)仕様の2.4L直列4気筒SOHCマルチエアエンジン(これは全グレードに共通)と9速ATを組み合わせたオンデマンド方式の4WDシステムが搭載されている(他の2グレードは6速ATのFF仕様)。

画像: タイガーシャークという呼び名の2.4Lエンジン。自然吸気ならではのパワーフィールで、スムーズに吹け上がる。

タイガーシャークという呼び名の2.4Lエンジン。自然吸気ならではのパワーフィールで、スムーズに吹け上がる。

ただし、このオンデマンド式ということからわかるように、日常的な安定した走行条件下であればリアアクスルへの駆動力をカットして走行抵抗が少なくなるFF状態となるような駆動プログラムが組まれている。これをドライバーが主体的に4WD状態にするためには、シフトレバーの手前右側にある4WDロックボタンを押せばOKだ。高速道路で巡航中などにこの操作を行ってみると、4WD状態の方がよりしっかりとした走行安定性が手応えとして伝わってくると感じられる。

車両重量は1600kgで、これはFFモデルのスポーツ/ロンジチュードと比較すると110kg重い仕様となっている。

コンパスは、レネゲードとともにジープブランド躍進の立役者だと感じる。自然と共生するタイプの「自由」を想起させるブランドのイメージを、とてもわかりやすく、そして違和感なく快適に楽しめるモデルだと実感できた。了

■第11回/2021年8月2日~2022年5月30日(総集編11カ月目)のデータ
・オドメーター:18064km
・総走行距離:14949km
・総給油量:1403.5L
・総平均燃費:10.6km/L

■ジープ コンパス リミテッド主要諸元

●全長×全幅×全高:4420×1810×1640mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:直4 SOHCマルチエア
●総排気量:2359cc
●最高出力:129kW(175ps)/6400rpm
●最大トルク:229Nm/1700-3900rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:AWD
●燃料・タンク容量:レギュラー・60L
●WLTCモード燃費:11.5km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):509万円(当時)

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