電動化モデルに冠された往年の名車「 4(キャトル)」のネーミング
パリモーターショーのプレスカンファレンスで「4という数字はルノーにとってとても重要なものです。キャトルは蘇るアイコンです」という言葉からはじめたルノーのルカ・デメオCEO。
ルノーグループでは4ブランドで実に7つのワールドプレミアモデルを公開、ルノー4(キャトルエバートロフィー)などで電動化への着実な前進をアピールしたのだ。この他にもセニックのコンセプトモデルやルノー5のBEVコンセプトカーなども展示されていたが、とくに注目したいのは、隣にブースを構え、アルピーヌが展示した「ALPINEGROW(アルペングロー)」である。
このいかにもスーパーカーらしい姿をしたクルマは、ルノーやアルピーヌの技術やイノベーションを投入したコンセプトモデルであり、H2つまり水素エンジンを搭載した電動化モデルである。
アルペングローのチーフデザイナーのマルク・プーラン氏によると、「これがこのまま市販されることはありませんが、A110とのデザイン的な関連性は持っている」という。また「A110のマザー」という表現を使い、現行A110からデザイン的なエレメントをもらい、さらに2026年に発表する次期型A110へもアルペングローで使ったデザインエレメントを採用するという。
2024年以降には続々とアルピーヌのBEVが登場する
この他にもアルピーヌは、F1フランスグランプリで初公開したブランドアイコンのA110をBEV化したA110エテルニテも展示した。このモデルはピュアEVのコンセプトカーで、A110のBEVがこの姿で発売される、というわけではない。
現在、アルピーヌでは、電動化へのロードマップが進行中である。その第1弾は24年にBセグメントのハッチバックで、その後25年にCセグメントSUV、26年に次期型A110を発表予定だが、エテルニテは、そのための研究&開発研究という位置付けである。
エテルニテは、前後重量配分を最適化するため重量物となるリチウムイオンバッテリーを前後に分けて搭載する。とくにリアに搭載するバッテリーはリアシート後に縦に配置される。乗員に近い位置にバッテリーがあるため水冷方式を採用し熱対策も万全。バッテリーの温度は最大で65度Cまでしか上がらないという。
アルピーヌは、現在のブランドアイコンとなるA110のみというビジネスから大きく幅が広がるのだが、その準備はどのぐらい進んでいるのだろうか。研究&開発センターや生産現場へも取材できたのでそれは次号にお届けする。(文/写真:Motor Magazine編集部 千葉知充)