パリ・モーターショー2022が開催された。前回はコロナ禍でキャンセルとなったため、2018年以来の開催となりドイツ車と日本車の参加はなく、フランスメーカー中心の出展だったが、その中でもここでは「アルピーヌとルノー」に注目した。(Motor Magazine2022年12月号より)

電動化モデルに冠された往年の名車「 4(キャトル)」のネーミング

パリモーターショーのプレスカンファレンスで「4という数字はルノーにとってとても重要なものです。キャトルは蘇るアイコンです」という言葉からはじめたルノーのルカ・デメオCEO。

画像: ワールドプレミアされた4Ever Trophy(フォーエバートロフィー)E-TEC。BEV化でルノー4(キャトル)が復活か。

ワールドプレミアされた4Ever Trophy(フォーエバートロフィー)E-TEC。BEV化でルノー4(キャトル)が復活か。

ルノーグループでは4ブランドで実に7つのワールドプレミアモデルを公開、ルノー4(キャトルエバートロフィー)などで電動化への着実な前進をアピールしたのだ。この他にもセニックのコンセプトモデルやルノー5のBEVコンセプトカーなども展示されていたが、とくに注目したいのは、隣にブースを構え、アルピーヌが展示した「ALPINEGROW(アルペングロー)」である。

このいかにもスーパーカーらしい姿をしたクルマは、ルノーやアルピーヌの技術やイノベーションを投入したコンセプトモデルであり、H2つまり水素エンジンを搭載した電動化モデルである。

アルペングローのチーフデザイナーのマルク・プーラン氏によると、「これがこのまま市販されることはありませんが、A110とのデザイン的な関連性は持っている」という。また「A110のマザー」という表現を使い、現行A110からデザイン的なエレメントをもらい、さらに2026年に発表する次期型A110へもアルペングローで使ったデザインエレメントを採用するという。

2024年以降には続々とアルピーヌのBEVが登場する

この他にもアルピーヌは、F1フランスグランプリで初公開したブランドアイコンのA110をBEV化したA110エテルニテも展示した。このモデルはピュアEVのコンセプトカーで、A110のBEVがこの姿で発売される、というわけではない。

画像: アルピーヌの将来のBEV開発の「練習台」として作られたA110エテルニテ。

アルピーヌの将来のBEV開発の「練習台」として作られたA110エテルニテ。

現在、アルピーヌでは、電動化へのロードマップが進行中である。その第1弾は24年にBセグメントのハッチバックで、その後25年にCセグメントSUV、26年に次期型A110を発表予定だが、エテルニテは、そのための研究&開発研究という位置付けである。

エテルニテは、前後重量配分を最適化するため重量物となるリチウムイオンバッテリーを前後に分けて搭載する。とくにリアに搭載するバッテリーはリアシート後に縦に配置される。乗員に近い位置にバッテリーがあるため水冷方式を採用し熱対策も万全。バッテリーの温度は最大で65度Cまでしか上がらないという。

アルピーヌは、現在のブランドアイコンとなるA110のみというビジネスから大きく幅が広がるのだが、その準備はどのぐらい進んでいるのだろうか。研究&開発センターや生産現場へも取材できたのでそれは次号にお届けする。(文/写真:Motor Magazine編集部 千葉知充)

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