2022年11月7日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで2022 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINALが行われ、55号車ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)がポールトゥウィンを達成した。そしてレース中に何度も順位が入れ替わったチャンピオン争いはランキングトップで最終戦に臨んでいた56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ)がポイント差を守り切り、チャンピオンに輝いた。

チャンピオンは1年の積み重ね

ランキングトップで最終戦に乗り込んだ56号車。予選でも安定したポジションにつけチャンピオンにむけ自信も覗かせていた。しかし決勝では右のフロントタイヤが外れるというまさかのアクシデントに見舞われ19位でのフィニッシュとなった。

しかしこれまでの貯金が56号車に奇跡をもたらした。最終戦だけでチャンピオンは決まらない、1年の積み重ねでチャンピオンが決まる。サクセスウエイトというレギュレーションが存在するスーパーGTにおいて、シーズンを通じてランキングトップを維持し続けるのはなかなかできることではない。

画像: 参戦4年で2度のシリーズチャンピオンを獲得した56号車。

参戦4年で2度のシリーズチャンピオンを獲得した56号車。

これは自分ができる最大限の仕事は何かを理解する賢さと、実行に移せる技術、そして速さをドライバーが兼ね備えている証拠である。それはチームにも言えることであり、シーズンを通してこれらを維持し続けたことが開幕から最終戦までトップで居続けられた理由ではないだろうか。

今回のレースは56号車にとってまさに悪夢のような展開となった。しかし開幕から積み重ねてきたポイントにライバル勢は届かなかったのだ。確かに最終戦はライバル勢の動きに左右されたが、運だけではチャンピオンになれないというモータースポーツの厳しさと、1年を通して多くのポイントを獲得し続けた56号車の凄さを改めて感じさせるレースだった。(PHOTO:井上雅行)

■2022年スーパーGT第8戦決勝 GT300結果

画像: 涙のポールポジション獲得から見事優勝した55号車。

涙のポールポジション獲得から見事優勝した55号車。

1位 55 ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)60周
2位 87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月)+4.048
3位 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)+8.204
4位 18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)+11.223
5位 88 Weibo Primez ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)+21.511
6位 96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)+24.451
7位 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)+25.113
8位 10 TANAX GAINER GT-R(大草りき/塩津佑介)+25.117
9位 7 Studie BMW M4(荒 聖治/アウグスト・ファルフス)+50.882
10位 360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/名取鉄平)+51.315

■2022年スーパーGT GT300 ドライバーズランキング

1位 56 リアライズ 日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/J・P・デ・オリベイラ)52
2位 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)49.5
3位 10 TANAX GAINER GT-R(大草りき)49
4位 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(川合孝汰)48
5位 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹)47
6位 10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎)45
7位 11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石井京侍)35
8位 18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)34
9位 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)33
10位 65 LEON PYRAMID AMG (蒲生尚弥/篠原拓朗)33

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