すべての「驚きと喜び」を深く掘り下げ、さらに遠くへ進めた「ED²」
2014年、トヨタはパリモーターショーにおいて、Cセグメント向けにかつて見たことのない形とジャンルのコンセプトモデル「C-HRコンセプト」を発表した。2年後に発売された市販モデルはまさに、その狙いどおりに上級クラスをかもる目立ち度を発揮、世界戦略SUVとしての役割を十二分に果たした。
そして2022年12月5日、再び欧州発のニュースとして、新型C-HRではその「お目立ち度レベル」をさらに高く引き上げられることが、新しい序章とともに明らかにされた。「Toyota C-HR Prologue」と名付けられたコンセプトモデルは、audacity(大胆さ)、provocation(挑発性)そしてfun(楽しさ)のすべてにおいて「新しい驚きと喜びをもたらす」と謳う。
デザインを担当したのは現行モデルと同じく、南フランに拠点を構えるToyotaEurope Design Development (ED²)。同社のデザインディレクターであるランス・スコット氏は「私たちの使命は、(C-HRのレベルを高めるための手法を)深く掘り下げ、これまでにないほど遠くに進むことでした」と語っている。
「Still a Rebel…with extra sophistication」とは、何を意味するのか?
掘り下げられたデザインコンセプトを欧州トヨタは、「Still a Rebel…withextra sophistication」と表現している。ニュアンス的には「反逆者であることは忘れていない・・・けれど、ちょっとだけ洗練させてみた」といったところだろうか。
具体的にまず印象に残るデザイン要素は、短いオーバーハングと大径ホイールを組み合わせた全体のフォルムだろう。そこから生まれるスタンスは、どの角度から見ても力強い一見したところは2ドアに見えるあレンジも、スポーティ感を強く感じさせる理由のひとつだろう。
プレスラインは躍動的で、基本的にはシャープさを強調しながらも滑らかな流動性まで備えている。その微妙な変化が生むコントラストは、これまでにないダイナミズムの表現へとつながっているようだ。一方でキャラクターラインそのものは比較的シンプルで、トータルでは洗練された雰囲気を醸し出しているところが興味深い。