今年で23回目、つまり日産の節目のフェスティバル
ニスモフェスティバルは毎年シーズンオフとなる11月末から12月初頭に、日産ファン、モータースポーツファンへの感謝イベントとして開催されてきた。
その起源は1997年にまでさかのぼる。第1回ニスモフェスティバルが開催された当時、モータースポーツのファン感謝イベントは存在しておらず、ニスモフェスティバルはその先駆けともいえるイベントとして大成功、以来、毎年大きな注目を集めてきた。
このイベントはニスモの社員による手作りイベントであり、そのコンセプトは現在も継承されている。イベント内容とは別に、こうした社員による手作りのイベントとしても大きな注目を集めてきたのだ。
2022年は3年振りの開催。前回の第22回は2019年の開催であった。ご存知のように2020年は新型コロナウイルスの影響で開催を自粛。翌2021年も同じ理由で開催されなかった。3年振りの開催ということで、この日を待ち焦がれたファンも多かった。
しかも、今回は23回目ということで「ニッ(2)サン(3)」に引っかけたイベントとして、2022年8月上旬からその開催を大々的に告知してきた。その結果、公式発表では3万人の来場者数を記録。前回2019年の第22回は2万8000人の来場者数だったことからも、久しぶりの開催で大いに盛り上がったイベントとなった。
国さんの追悼セレモニーでドリキン土屋がタイサンGT-Rをドライブ
毎回ニスモフェスティバルではテーマが存在する。2022年の第23回では、同年3月16日に82歳で旅立たれた高橋国光氏に感謝を込めた追悼コンテンツが準備されていた。
ピットに用意された「高橋国光メモリアルガレージ」には、同氏にゆかりのレーシングカーのほか、獲得したトロフィーや年表、そして貴重なオフショットなどが展示され、終日、多くのファンで賑わっていた。
またコースイベントでも高橋国光メモリアルランが行なわれた。幻のレーシングカーとなったケンメリGT-Rのレーシングコンセプトを長谷見昌弘氏がドライブ。並走したのはグループA仕様のSTPタイサンGT-R。こちらをドライブしたのは現役時代に高橋国光氏とコンビを組んだ土屋圭市氏だ。新旧ドリフトコンビとして当時も高い人気を誇った。
レースデビュー前から国光氏の大ファンだったという土屋氏は、高橋国光氏のジェット型ヘルメットを着用し、かつてのマシンをドライブ。その姿はさながら高橋国光氏がドライブしているように見え、感動もひとしおだった。普段は陽気な土屋氏だが、この時ばかりは神妙な面持ちでマシンを降り、ファンに手を振っていた。