DSオートモビルのキーパーソンとなる、バステァン・シュップ氏とベトリアス・フシェCEOのふたりが来日、本誌は単独インタビューの機会を得た。時間の許されるかぎり、DSブランドの現状や今後の予定などを聞いた。(聞き手:千葉知充 Motor Magazine編集長/Motor Magazine2023年2月号より)

進む電動化の先駆けとして「プレミアムな未来」を拓く

画像: 2022年にビッグマイナーチェンジが行われ23年に、日本へも投入されるDS7。

2022年にビッグマイナーチェンジが行われ23年に、日本へも投入されるDS7。

千葉 ステランティスグループ内でDSの電動化が進んでいます。

フシェCEO 電動化は、早くから手掛けています。14年のDSブランドを立ち上げ時から電動化を決めています。我々は、ステランティスグループの中では電動化のパイオニアです。すでに製品の50%がPHEVやBEVですが、24年からはBEVだけになります。さらに24年には2車種の新型車が出ますが、これもBEVです。専用プラットフォームを採用し、航続距離も700kmとなります。

千葉 空いている数字の1や2や5や6というモデルが登場する可能性はあるのでしょうか。

フシェCEO おっしゃるとおりまだ空いている数字がありますね。ただまずは現行モデルが優先です。23年にDS7、そしてDS3の新型を投入します。そして24 年にはDS44をBEV化し、さらに新しいモデルも追加するので、おっしゃっている番号が埋まっていくことになりますね。すべて電動化されますが、どのモデルでもドライビングエクスぺエリエンスは提供していきます。

千葉 現在、課題はありますか。

シュップ まずは電動化です。ただしこれは我々にはチャンスです。DSは早くから電動化しているブランドですし、世界で2回、フォーミュラeのチャンピオンにもなっています。そしてサスティナビリティです。グループもカーボンニュートラルに取り組み、38年までにカーボンニュートラルになると表明しています。

フシェCEO 38年までにカーボンニュートラルになるのはグローバルな課題ですが、これは重要な達成すべきことです。だからこそ1000%電動化であり、素材も注意深くリサイクル素材などを選ぶようにしています。そしてダブルチャレンジとしてDSのユニークさやブランドのポジショニングを固めることにも注力しています。

千葉 グループ内でDSはどのような役割を担っていますか。

シュップ プレミアムな未来を作っていくという役割があります。イタリアンスポーツカーのアルファロメオ、イタリアンクラシックエレガンスのランチア、フレンチアートオブトラベルのDSという3つのブランドがそれぞれを補完できるようにしています。

フシェCEO グループには多くのブランドがあり、それぞれのポジションを明確するのは大きなチャレンジです。同時に共通の開発ができるので新しい技術をタイムリーに投入できるというメリットがあります。一定レベルの自由があってブランドを構築できるのはとても幸運なことです。
(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:伊藤嘉啓、DS オートモビル)

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