毎年恒例、JAIA(日本自動車輸入組合)の合同試乗会。今回、鈴木ケンイチ レポーターはPHEV(プラグインハイブリッド車)に絞って、その違いを味わうべく乗り比べてみた、まずは前編として、ステランティス グループの2台をレポートする。

日本市場に続々と投入される、インポートPHEV

日本車も輸入車も、「カーボンニュートラル」の旗印の下、電動化、つまりEVシフトが加速している。いまや、発表されるニューモデルの大半には、EV(電気自動車)がラインナップされていることが多い。とはいえ、実際のところEVの販売台数はそれほど劇的に増えているわけではない。やはり、航続距離や充電インフラなどといった不安が根強いのだろう。

そこで注目されているのが、PHEV(プラグインハイブリッド車)だ。普段の近隣の買い物や駅までの送迎などは、充電した電力だけで実質EVとして利用でき、週末のレジャーではエンジンも使ってロングドライブをこなす。EVシフトにチェンジする狭間を埋める存在として、インポートPHEVの日本導入も増えている。そんな最新のインポートPHEVを乗り比べてみることにしよう。

まず最初にハンドルを握ったのは、プジョーの308 SW GTハイブリッドだ。ベースモデルは、エンジン横置きのFFプラットフォームを使う308SW。これに、最高出力132kW(180ps)を発生する1.6Lのガソリンターボ エンジンに、81kW(110ps)を発生するモーター、そして12.4kWhのリチウムイオン電池を組み合わせるPHEVシステムを搭載する。

プジョー 308SWは、静粛性に優れたスムーズな走り

画像: 外寸はホイールベースも含めて、エンジン車の308SWと変わらない。

外寸はホイールベースも含めて、エンジン車の308SWと変わらない。

モーターは8速AT側についており、トルクコンバーターの代わりに湿式クラッチが使われている。システムの総合最高出力は225psで、EV航続距離は64km(WLTCモード)。走行モードは、エレクトリック(EV走行)/ハイブリッド/スポーツの3つを選ぶことができる。また充電を優先する「eセーブ ファンクション」も用意されている。

基本的に、このPHEVシステムはエンジンの主張が控えめだ。エンジンとモーターを併用するハイブリッドモードでは、2つの動力源の切り替えをほとんど意識させない。また、トルコンではなくクラッチでエンジンとモーター&ミッションを接続させているのだが、きわめてスムーズに変速と動力源の切り替えを行う。

スポーツモードにすると、メーターが黄色ベースになり、エンジン主体の走行となる。ここで、ようやくエンジンの主張が始まる。ただし、エンジン音は勇ましくなるものの、それほどパワフルというレベルではない。速さを感じさせるよりは、キビキビ走るといった印象だ。全体としては、上級ワゴンにふさわしい、スムーズでジェントルな走りっぷりを見せてくれた。

画像: パワフルさはないが、スムーズでジェントルな走りを見せてくれた。

パワフルさはないが、スムーズでジェントルな走りを見せてくれた。

プジョー 308SW GTハイブリッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4655×1850×1485mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1720kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1598cc
●最高出力:132kW(180ps)/6000rpm
●最大トルク:250Nm/1750rpm
●モーター最高出力:81kW(110ps)/2500rpm
●モーター最大トルク:320Nm/500−2500rpm
●システム最高出力(本国仕様値):225ps
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・40L
●駆動用バッテリ−:12.4kWh
●EV走行換算距離(等価EVレンジ):69km
●WLTCモード燃費:17.5km/L
●タイヤサイズ:225/40R18
●車両価格(税込):557万1000円

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