「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ アルファード/ヴェルファイア ハイブリッドだ。

エコ&パワフルな走りで、これなら3.5Lいらず!?

画像: パワートレーンはエスティマ ハイブリッドの2.4L THS II+E-Fourをアル/ヴェル用に進化させたシステムを採用。

パワートレーンはエスティマ ハイブリッドの2.4L THS II+E-Fourをアル/ヴェル用に進化させたシステムを採用。

こうして苦労を重ねた結果、JC08モード燃費で16.2km/Lをマーク。2.4Lの4WDが10.4km/Lであることを考えると、ハイブリッド化によるメリットは大きい。それでいてデメリットが少ないのも、うれしいところだ。正直言えば2.4Lのガソリン車に対して価格面で50〜70万円程度アップ(装備の違いもあるため単純比較は難しい)するのは否めないが、それ以外は使い勝手も走りも非の打ちどころがない。

たとえば、先代ではリアの床下に収納していたバッテリーをセンターコンソール内に収めることで、ラゲッジスペースのフルフラット化を実現している。「ハイブリッドだから床下が出っ張っても仕方ない」などと諦めることなく、意識せずに使える点もいい。

そして何よりも走って納得できるところがうれしい。街中はトヨタならではのスムーズなハイブリッドで静かに走り、いざとなればEV走行も可能とするあたりはプリウスと何ら変わるところはない。さらに高速などで力強く走ろうと思えば、しっかりとしたトルクが支えてくれる。これなら3.5Lモデルもいらないと思えるほどの力強さだ。エコも走りも両立するのは、さすがだ。

ただ、残念なのはエスティマに装備されていた1500W/100Vコンセントが装備されなかったことだ。聞けば電源を使うと最終的にアイドリングすることになり、日本各地に存在するアイドリングストップに関する条例に違反してしまうことがネックになっているらしい。非常時のみに起動するシステムを構築するなどの対策で、ぜひともあのコンセントを復活させてもらいたいものだ。

画像: 写真のアルファードも走りっぷりは変わらない。市街地走行ならハイブリッドらしい静かでスムーズな走りを見せる。

写真のアルファードも走りっぷりは変わらない。市街地走行ならハイブリッドらしい静かでスムーズな走りを見せる。

トヨタ アルファード ハイブリッドSR Cパッケージ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4885×1840×1905mm
●ホイールベース:2950mm
●車両重量:2190kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター×2
●総排気量:2362cc
●エンジン最高出力:110kW(150ps)/6000rpm
●エンジン最大トルク:190Nm(19.4kgm)/4000rpm
●モーター最高出力:105kW(143ps)+50kW(68ps)
●モーター最大トルク:270Nm(27.5kgm)+130Nm(13.3kgm)
●システム最高出力:140kW(190ps)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:4WD(E-Four)
●燃料・タンク容量:レギュラー・65L
●JC08モード燃費:16.2km/L
●タイヤサイズ:215/65R16
●当時の車両価格(税込):565万円

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