「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ Mクラスだ。

より都会的になった3代目だが、サイズはほぼ変わらず

画像: 内装も外装同様に質感がアップされ、GLクラスに匹敵する。ATシフトは従来型同様のコラム式でパドルも備わる。

内装も外装同様に質感がアップされ、GLクラスに匹敵する。ATシフトは従来型同様のコラム式でパドルも備わる。

そして今回、3代目にフルモデルチェンジした新型Mクラスは、初代から2代目のときほど大きな変更はない。デザインはより都会的に洗練されているが、ボディサイズはほぼ同寸で変わっていない。

搭載されるエンジンも従来の流れの中にあるが、中身は大きく進化した。今回試乗した、ガソリンのML350 4マティック ブルーエフィシェンシー、ディーゼルのML350 ブルーテック 4マティックともに、パワーやトルクが向上しながら燃費は約25%も改善された。

ディーゼルの方がトルクフルなのは当然だが、大きなSUVで試乗するとなおさらその違いは明白になる。ガソリンでもまったく不満なく走ってはくれるのだが、乗り比べるとディーゼルの頼もしさは別格だ。高速道路でもかなり低いエンジン回転数で走れるので、落ち着いたハイウエイクルーズを堪能することもできる。

シャシもメルセデスらしい落ち着いた雰囲気や穏やかな乗り味がベースではあるが、従来よりも軽快でスポーティな一面も持ち合わせるようになった。とくに可変式の前後スタビライザーがロールを程よく抑制しており、コーナーでもボディの大きさを意識させないのがいい。

コンセプトに目新しさはないものの、燃費やオンロード性能を大幅に向上してきた新型Mクラス。プレミアムSUVの先駆者として、王道を行く進化を果たしている。

画像: ガソリン車でも不満ない走りを見せるが、ディーゼル車に乗り換えると圧倒的なトルク感の頼もしさが別格だ。

ガソリン車でも不満ない走りを見せるが、ディーゼル車に乗り換えると圧倒的なトルク感の頼もしさが別格だ。

メルセデス・ベンツ ML350 ブルーテック 4マティック 主要諸元

●全長×全幅×全高:4810×1925×1795mm
●ホイールベース:2915mm
●車両重量:2250kg
●エンジン:V6 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:2986cc
●最高出力:190kW(258ps)/3600rpm
●最大トルク:620Nm(63.2kgm)/1600-2400rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:軽油・93L
●JC08モード燃費:12.5km/L
●タイヤサイズ:255/55R18
●当時の車両価格(税込):790万円

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