先日開催されたフィアット ドブロの試乗会時に、そろそろ生産終了が噂されているフィアット 500(チンクエチェント)にあらためて試乗することができた。試乗車は、2気筒エンジンを搭載したオープンモデルの「500C ツインエア ドルチェヴィータ」だ。

フェードアウトする前に、ぜひ一度は乗っておきたい

画像: いまや軽乗用車にも存在しない2気筒エンジンながら、ターボを装着して85psと145Nmという十分なパワースペックを誇る。

いまや軽乗用車にも存在しない2気筒エンジンながら、ターボを装着して85psと145Nmという十分なパワースペックを誇る。

軽自動車よりひとまわりほどしか大きくないボディは、街中ではキビキビ、スイスイと走り回れる。意外かもしれないが、想像されるよりも乗り心地はいい。じつはこの試乗直後に500eにも乗ってみたのだが、もちろんEVゆえの静かさや加速感は違うものの、本質的な乗り味はチンクエチェントと大きく変わっていないことに気づかされた。

4人乗りとはいえリアシートはおとなには狭いし、ラゲッジスペースもミニマム。でも、ノスタルジックで可愛いスタイルや外観に負けないオシャレなインテリアは唯一無二だし、扱い方をマスターすれば、それなりに走りも楽しめる。そして500Cなら手軽なオープン感覚も味わえる。

日本でも2021年11月以降に発売された新型車にはADAS(先進運転支援システム)の装着が義務づけられ、既存の車種も国産車は2025年12月以降、輸入車も2026年7月ごろに自動ブレーキが義務化される。おそらく、ラインナップの刷新を進めるステランティス グループは、それ以前にチンクエチェントをフェードアウトさせるだろう。

したがって、チンクエチェントを新車で手に入れられる期間は、そう長くなさそうだ。そうなる前に、ぜひ機会を見つけてチンクエチェントに試乗してみて欲しい。最新のクルマでは味わえない、プリミティブだけど楽しい、クルマの原点的な走りを再確認できるはずだから。(写真:Webモーターマガジン編集部)

画像: 走行中でも約85km/hまでなら開閉できる電動ソフトトップだが、写真のようにリアウインドーを残した状態のほうが後方視界も良い。

走行中でも約85km/hまでなら開閉できる電動ソフトトップだが、写真のようにリアウインドーを残した状態のほうが後方視界も良い。

フィアット 500C ドルチェヴィータ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3570×1625×1505mm
●ホイールベース:2300mm
●車両重量:1050kg
●エンジン:直2 SOHCターボ
●総排気量:875cc
●最高出力:63kW(85ps)/5500rpm
 Ecoモードは57kW(77ps)/5500rpm
●最大トルク:145Nm(14.8kgm)/1900rpm
 Ecoモードは100Nm(10.1kgm)/2000rpm
●トランスミッション:5速AMT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・35L
●WLTCモード燃費:19.2km/L
●タイヤサイズ:185/55R15
●車両価格(税込):344万円

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