「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ポルシェ 911カブリオレだ。
ポルシェ 911カブリオレ(2011年:フルモデルチェンジ)
タイプ991と呼ばれる新型ポルシェ 911、ようやくクーペモデルが日本デビューを果たしたが、今年(編集部註・2012年)初めのデトロイト モーターショーでワールドプレミアされたカブリオレの国際試乗会がスペイン領のカナリア諸島で行われた。クーペスタイルの美しい911だが、オープンも似合っているようだ。
春の到来を目前にしてタイミング良くデビューとなったのが、2011年末にリリースされた新型ポルシェ 911のオープンモデルのカブリオレだ。いよいよ日本への上陸も始まったクーペの場合と同様に、こちらも3.4Lエンジンを搭載する「カレラ カブリオレ」と、3.8Lエンジン搭載の「カレラS カブリオレ」という2タイプ構成になる。
そんな新しい911カブリオレの大きな特徴は、まずはルーフを閉じた際のプロポーションにある。サイドビューを目にすればすぐに納得が行くように、今度のモデルではそれが「ほとんどクーペと同一のプロポーション」を描いているのだ。
サイドのウインドーグラフィックが新旧モデルで大きく異なることからも明らかなように、タイプ997と呼ばれる従来型のカブリオレではリアウインドー上部に「出っ張り」があり、ソフトトップとその後方のトップカバーとの間にも明確な段差が生じていた。