正面から見ているだけではこのクルマのことは半分ぐらいしかわからないが、真横から見たり車内に座ることでその本質がよく理解できる。ディフェンダーシリーズに加わった130のことだ。今回は90、110とともに3モデルを特別許可が下りた三宅島のオフロードで比較できた。(Motor Magazine2023年6月号より)

全長以外、ホイールベースと全幅は110と同じサイズ

130をオフロードに持ち込んだ。運転席から見える景色はディフェンダーのそれで相変わらず視界がいい。ただしサイドミラーを見るとボディ後端が遙か彼方にあるようだし、ルームミラーでは、3列目のシートが見えるなど、やはりボディが長い、ということを思い出させる。そう、130はシリーズ唯一、3列シート8人乗り仕様となっているのだ。

画像: 130はアプローチアングルが37.5度、デパーチャーアングルは28.5度。

130はアプローチアングルが37.5度、デパーチャーアングルは28.5度。

この3列目シートには、全席にしっかりヘッドレストを装備、さすがに大人3人はかなり「密」だが、2人ならほど良いディスタンスを維持できる。またシートアレンジもさすがランドローバーと言えるほどもよく考えられていて、簡単にフロアに収納でき、フラットで広いラゲッジスペースをつくり出すことができるのである。

容量は8人乗車時386L、3列目シートを格納すると1232L、2,3列目シート格納時、つまり最大で2291L確保できる。

ボディが長いからといって小回り性能が悪くなるわけではなく、最小回転半径は110と同じ6.1mである。ボディの長さはオフロードに持ち込んでもネガにはならなかった。さらに力不足だと感じる場面にも遭遇しなかった。

130の搭載するパワートレーンは、3L直6ディーゼルターボエンジン。最高出力300ps、最大トルク650Nmを発生する。これに48V BiSG(ベルト インテグレーテッド スターター ジェネレーター)が組み合わされる。

車両重量は、同じエアサスペンション仕様で比較すると110のD300が2420kg、130のD300が2540kgとその差は120kgだが、これだけ出力とトルクがあれば、120kgの重量増が大きなマイナスではない、ということなのだろう。それが実感できた。

オフロード試乗での走りは、さすがディフェンダーと納得できるものだった。900mmという最大渡河水深こそ試せなかったが、アプローチアングル37.5度、デパーチャーアングル28.5度、ブレイクオーバーアングル27.8度は伊達じゃなく、290mmの最低地上高もあり、難所コースを楽々クリアして見せてくれた。(文:Motor Magazine 編集部 千葉知充/写真:井上雅行)

ランドーバー ディフェンダー130 ローンチエディション主要諸元

●全長×全幅×全高:5275×1995×1970mm
●ホイールベース:3020mm
●車両重量:2540kg
●エンジン:直6DOHCディーゼルターボ+モーター
●総排気量:2993cc
●最高出力:221kW(300ps)/4000rpm
●最大トルク:650Nm/1500-2500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:軽油・85L
●WLTCモード燃費:9.9km/L
●車両価格(税込):1245万8000円

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