日本仕様に最適化を施されたエクステリアを持つ電気自動車
世界だけでなく日本市場においてもそのサイズ感やスポーティさから人気を呼んでいるBMWのプレミアムコンパクトSUV、X1がフルモデルチェンジしたことは記憶に新しい。そのエクステリアデザインから漂う雰囲気は、まるで兄貴分のX3に肉薄するかのような上級志向を感じられるものだ。
この新型の興味深い点は、パワートレーンのラインナップの豊富さにある。もちろんすべてが日本に導入されているわけではないが、電動化バリエーションを中心に6種類が設定されている。エンジンとモーターを組み合わせたMHEVやPHEVをはじめ、BEVも用意されており、BMWが持つ電動化技術の全ラインナップを選択できる次世代SUVなのである。
ここで注目したのはBMWのコンパクトSUVで初のBEVの「iX1」だ。
Mスポーツのフェンダーモールやサイドスカートはボディ同色だが、xラインはブラックにするなど差別化されている。
電気モーターを前後に搭載する4WDで、システムトータルの最高出力は200kW、最大トルクは494Nmを発生する。66.5kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーにより、一充電での走行可能距離は465km。それでいて0→100km／h加速は5.6秒（欧州仕様値）という俊足ぶりを誇っている。
エクステリアでは、正方形に近い大型のキドニーグリルやツインサーキュラーのアダプティブLEDヘッドランプ、立体的な造形のテールランプ、ドアハンドルとドアパネルの面をフラットにしたフラッシュハンドルなどを特徴とする。
海外仕様ではブルーのアクセントをフロント、リア、サイドのロワ部分に配置してBEVであることを強調しているが、日本仕様には見当たらない。実はこうした外観は基本的にX1と共通で、日本のユーザーからの声を反映してあえて、デザイン面ではBEVらしさを強調していないのだろう。
コンパクトなボディとBEVコンポーネントを組み合わせ、そしてRWDではなく2モーターによる4WDのBEVであることなど、iX1の完成度は気になる人も多いはずだ。
BMW iX1 xDrive30 M Sport 主要諸元
●全長×全幅×全高：4500×1835×1620mm
●ホイールベース：2690mm
●車両重量：2030kg
●パワートレーン：2モーター
●最高出力：前140kW＋後140kW
●最大トルク：前247Nm＋後247Nm
●最小回転半径：5.6m
●駆動方式：4WD
●一充電走行距離：465km（WLTCモード）
●総電力量：66.5kWh
●タイヤサイズ：225／55R18
●車両価格：698万円
