歴代の911とともに「貴重なクルマたち」がお出迎え
ポルシェ創始者フェルディナンド・ポルシェの長男であるフェリー・ポルシェが製作したスポーツカー「ポルシェ356 No.1ロードスター」を1948年に誕生させてから、今年で75周年を迎える。「ポルシェフェスティバル」はそれを記念し、ポルシェジャパンが主催したもの。「ハウスオブポルシェ」をテーマに、ポルシェオーナーやポルシェファンのための特別なコンテンツが用意された。
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神奈川県警が実際に使用していた912型の警察車両が展示されていた。車内には計測器も残されていた。
会場は、千葉県木更津市にあるポルシェエクスペリエンスセンター東京(PEC東京)。その週末は台風2号が日本に上陸し、交通機関の遅延や災害などの影響が重なった。
それにもかかわらず、ポルシェファンやオーナーが合わせて3019人、会場内に集まったポルシェは618台と、大盛況のイベントとなった。入場チケットは申し込み制だったそうだが、改めてブランドとしての底力を感じさせる盛り上がりだ。
会場へ到着すると、入り口には歴代のポルシェ911がモデル順に並んで出迎えてくれた。中には神奈川県警が実際に使用していた912型の警察車両や、最新モデル992型のGT3 RSといった、普段目にすることのできない貴重なポルシェまで並ぶ。
PEC東京の建物内へ足を進めると、中央にはかつてル・マン24時間レースで大活躍した917KHが展示されている。一方でその隣には、アーティスト須藤俊氏がデザインした「ポルシェ タイカン」のアートカーが並んでいる。さりげなく、ポルシェの歴史と未来を同時に感じることができる演出が印象的だった。
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会場内に入ると、中央にはかつてル・マン24時間レースで大活躍した917KHが展示されていた。
自慢の愛車をサーキット上に展示。注目は日本初公開の「あの」新型車
ポルシェフェスティバルでは、さまざまなコンテンツが展開された。ポルシェオーナー自慢の愛車が全長2.1kmのサーキット上にずらりと展示されている様子は圧巻。ほかにもアーティストによるパフォーマンス披露やポルシェガレージのアワード発表が行われたり、ドリフトやオフロード走行の同乗体験まである。まさしく祭りのようなイベントが目白押しだった。
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PEC東京のサーキット上に並べられたポルシェオーナーの愛車たち。オーナーたちが、「きれいですね」や「このパーツ、どこで見つけたんですか」といった会話に花を咲かせている姿は、ポルシェオーナーのつながりや一体感を感じさせた。
50年以上前のモデルから最新のタイカンまで、ずらりと並んだオーナーズカーたちは、サーキット上を歩きながらゆっくり見ることができた。その姿は圧巻で、ポルシェがいかに愛されているかを感じられたほか、どのモデルを見てもポルシェとわかるデザインにうっとりした。
ひときわ会場内の注目を集めていたのは、日本で初めて披露されたポルシェの最新作たちだろう。ジャパンプレミアが行われたのはポルシェ「911 ダカール」「カイエン」「カイエンクーペ」の3台。
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ジャパンプレミアの後には、3台がステージ横に展示され、間近で車両を眺めることができた。貴重なヘリテージカーが数多く展示されている中でも、最新モデルをひと目見ようと多くの人がステージへ集まるのは、ポルシェファンたちがいかに歴史と未来のどちらも大切にしているかを伺うことができる。
そのひとつである911 ダカールは、2022年11月にロサンゼルスモーターショーで初披露された。このクルマはダカールのネーミングから想起されるように、1984年パリ-ダカールラリーでポルシェ初の総合優勝を果たしたマシンをリスペクトしたモデルだ。
スポーティなオフロード走行に適合するように、専用に開発されたピレリ製のオールテレインタイヤを装着し、「911カレラ」のスポーツサスペンション仕様車を50mm上回る車高をもつ。そのパフォーマンスは、0→100km/h加速3.4秒と超一級。世界2500台の限定車で、日本での価格は3099万円だ。
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911 ダカール。911GTSと同様の、最高出力480ps/最大トルク570Nmを発生する3L 水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載する。標準装備のリフトシステムによって、フロントエンドとリアエンドをさらに30mm上げることが可能だという。