B.ハートレーの大健闘に応えて平川も猛烈プッシュ!だが・・・
残り2時間、トヨタ8号車は4スティント連続走行という健闘を見せたハートレーから、平川亮にスイッチ。
この時点で2位につけるトヨタ8号車とトップとの差は16秒。この差を詰めるべく全力でアタックに入った平川だったが、アルナージュコーナーで痛恨のコースオフ。コース脇のバリアにヒットし、車両の前後にダメージを負ったトヨタ8号車は緊急ピットインを強いられることになった。
それでも2位の座を守ったままコースへと復帰することに成功したトヨタ8号車だったが、これでフェラーリ51号車との差は広がってしまった。平川はコース復帰後、着実に順位を守ってチェッカーを受け、ポイントを獲得することに優先度を切り替えて2位でチェッカーを受けた。フェラーリ51号車との一騎討ちで最後までプレッシャーをかけ続けたが、最後は届かなかった。
レース後、トヨタ8号車のブレンドン・ハートレーは「全てを出し切ったので、何も残っていないかのようです。我々はフェラーリとの一騎打ちで最後まで彼らにプレッシャーをかけ続けました。最後は、流れが少し我々の方に向いたと思われた時間もありました。亮は最も大変な状況でのドライブでした。彼は首位フェラーリとのギャップを詰めるために最大限に攻めろと言われてコースへ向かい、リスク覚悟でアタックしたので、責められることはありません。今となっては、あそこまで追い詰めたが届かなかった、という気持ちです。フェラーリには最大の祝福を贈ります。彼らは速かったですし、ミスをすることもなく、良いレースを戦ったと思います」とコメントしている。
目標のル・マン6連覇は叶わなかったが、シーズンはまだ残り3戦、チャンピオンを賭けての戦いは続く。次戦はわずか4週間後の7月9日、フェラーリの地元イタリアでモンツァ6時間が行われる。
2023年WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間決勝
1位 51 フェラーリ499P(グイディ/カラド/ジョビナッツィ) 148周
2位 8 トヨタGR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮) +81.793s
3位 2 キャデラックVシリーズ(バンバー/リン/ウエストブルック)+1周
4位 3 キャデラックVシリーズ(ブルデー/サンデ/ディクソン)+2周
5位 50 フェラーリ499P(フォコ/モリーナ/ニールセン) +5周
リタイア 7 トヨタGR010ハイブリッド(コンウェイ/小林可夢偉/ロペス)
2023年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第4戦終了時)
1位 ブエミ/ハートレー/平川亮(トヨタ) 107
2位 グイディ/カラド/ジョビナッツィ(フェラーリ)82
3位 バンバー/リン/ウエストブルック(キャデラック)70
4位 フォコ/モリーナ/ニールセン(フェラーリ) 67
5位 コンウェイ/小林可夢偉/ロペス(トヨタ)66
2023年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第4戦終了時)
1位 トヨタ 126
2位 フェラーリ 108
3位 キャデラック 70
4位 ポルシェ 54
5位 プジョー 35