トヨタ8号車とフェラーリ51号車の一騎討ち
最高峰にあたるハイパーカークラスに、トヨタ、フェラーリ、ポルシェ、プジョー、キャデラックといった強豪ブランドが参戦した伝統のル・マン24時間レース100周年大会。32万5千人もの大観衆とドラマティックな展開が大好きな「ル・マンの女神」が見守る中、最後の最後までドラマティックなバトルが繰り広げられることになった。
6月10日(土)午後4時にスタートが切られたレースは、コースの一部が雨で濡れているという難しい状況の中、ハイパーカー勢が激しい接近戦を展開。その後、2度にわたって豪雨に見舞われ、コンディションも順位もめまぐるしく変わったが、レース開始後の8時間も、2台のトヨタは上位争いを繰り広げていた。
しかし、日付が変わった直後、2位で首位を追っていたトヨタ7号車がテルトル・ルージュで後方から激しく追突されてストップ。時速80km制限のスローゾーンへと向かう直前、前方の車両の減速にあわせて小林可夢偉が速度を落としたところに追突される不運でリタイアとなってしまう。
一方でレース前半上位を争っていたプジョー94号車とフェラーリ50号車が脱落、ポルシェも優勝争いから後退すると、その後、レースはトヨタの8号車とフェラーリの51号車の一騎討ちとなっていった。
夜が明ける頃には首位に立っていたトヨタ8号車だったが、その後、フロントスプリッターにダメージを負うとともにリアタイヤのパンクに見舞われ、修復のためにピットに入り2位へと後退。
それでも大きく差をつけられることなくコースに復帰したトヨタ8号車は、数時間にわたってフェラーリ51号車と僅差で首位争いを続け、20時間を過ぎた時点でも、2台の差はわずか3秒という僅差だった。