2023年7月16日、フォーミュラE第14戦がイタリア・ローマで行われ、ジェイク・デニス(アンドレッティ)が今季2勝目を挙げた。2位はノーマン・ナトー(日産)が入り、日産にとって今季初の表彰台を獲得、3位にはサム・バード(ジャガー)が入っている。(文:河村大志)

逆転を許したデニスがポールポジションを奪取

画像: ポールポジションを獲得し、ランキング首位のキャシディとの差を2ポイントに詰めたデニス。

ポールポジションを獲得し、ランキング首位のキャシディとの差を2ポイントに詰めたデニス。

前日の第13戦に引き続き、ダブルヘッダーの連戦となったローマ大会。残すはロンドンのダブルヘッダーを残すのみとチャンピオンシップ争いも佳境に差し掛かっている。

ローマ初戦ではここを得意としているミッチ・エバンス(ジャガー)が優勝、ニック・キャシディが2位に入り、デニスはランキング2位に後退。しかし第14戦ではデニスが予選で奮起、デュエル決勝ではライバルであるキャシディとの直接対決を制し、ポールポジションを獲得。キャシディとの差を2ポイント差とした。

予選前日優勝を果たしたランキング3位のエバンスは4番グリッドを獲得、一方ランキング4位のパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)は15番手と低迷。チャンピオンに向けて暗雲が立ち込める結果となった。

デニスがポールトゥウィンで今季2勝目!ライバル勢は総崩れ

画像: ポールポジションからスタートし、ホールショットを奪ったデニス。

ポールポジションからスタートし、ホールショットを奪ったデニス。

気温35度、路面温度60度というドライバーや関係者、そして見守るファンにとっても厳しい環境となったローマ2戦目。茹だる暑さの中、24周のレースがスタートした。

ポールポジションスタートのデニスがホールショットを奪いトップでレースをリード。その直後の2位争いではキャシディとナトーのバトルが繰り広げられ、キャシディが2位に浮上する。

エバンスもナトーをパスし3位に浮上。これにより上位3台はチャンピオンシップを争う面子で構成され、3台によるバトルが期待された。

しかし2周目のターン7、エバンスがブレーキングをミスしキャシディに追突。この接触の煽りを喰らう形で後続も玉突き事故となってしまいSCが出動した。

すぐにSCが解除され、レースは4周目に再開。エバンスはピットで修復後コースに復帰するも、ダメージが大きく、無念のリタイア。昨日の優勝から一転、チャンピオンへの可能性が低くなってしまった。キャシディは最後尾から追い上げを図る。

一方、トップを走るデニスはマネジメントを行いながらレースをリード。レースペースが遅いことからナトーに仕掛けられ、接触もあったデニスだが、ポジションを落とすこと無く最初のアタックモードを消化するなど順調にレースを進めていく。

2位に上がってきたバードにプレッシャーをかけられる場面もあったデニスだが、2度目のアタックモードも首位を譲ることなく消化しトップチェッカーに向けてひた走る。

結果一度も首位を譲ることなくデニスがトップチェッカー。完勝で今季2勝目を挙げた。ポールポジション、ファステストラップ、優勝と完璧な1日となったデニスがランキングトップに再浮上。しかもキャシディが14位、エバンスがリタイア、ウェーレインが7位とライバルたちの結果もあり、2位以下に24ポイントという大きなポイント差をつけることとなった。

2位にはこれまで苦戦を強いられてきたナトーがバードの猛攻を防ぎきり今季初の表彰台を獲得。日産ワークスにとっても今季初の表彰台獲得となった。

ジャガー勢はバードがなんとか3位に入るも、エバンスのサポートとはならず悔しい結果に。混戦のまま第13戦まで推移してきた今シーズンのフォーミュラEだが、第14戦でついに、チャンピオン争いに大きな動きがあった。

とはいえ次戦は、これまで数々のドラマが繰り広げられてきたフォーミュラEの最終戦。2週間後に行われるロンドンのダブルヘッダーでどんな結末が待っているのだろうか。

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