2023年7月21日、F1第12戦ハンガリーGPがハンガロリンクで開幕する。開幕から続くレッドブルの連勝はイギリスGPでも止まらず、マックス・フェルスタッペンの連勝も「6」まで伸びて、いよいよ真夏のハンガリーGPまで来てしまった。シーズン前半戦も残り2戦、レッドブルの連勝、フェルスタッペンの独走を止めるドライバーは現れるのだろうか。

コース幅が狭く、オーバーテイクが難しいがゆえに波乱も多い

ハンガリーGPが行われるハンガロリンクは、約4.4kmの短い全長に14のコーナーが待ち構える、タイトでトリッキーな難しいサーキット。

平均速度はモナコに次いでシーズン中で2番目に遅く、各チームはモナコと同様のハイダウンフォース設定のマシンを投入する。低速コーナーが多いため、空力性能よりも高いメカニカルグリップ、パワーよりもドライバビリティが要求されるサーキットなのだ。

夏の暑い時期に行われるため気温や路面温度が高く、しかもサーキット全体が円形劇場のような形状で熱がこもりやすく、最大のリスクはタイヤのオーバーヒートとなる。

コース幅が狭く、直線部分が短いためオーバーテイクが難しく、予選順位が重要となるが、ポールトゥフィニッシュは約30%と意外に高くない。また、路面がバンピーでコーナーが多いので、サスペンションやダウンフォースの微妙なセッティングも重要なポイントとなる。

打倒レッドブルを目論むライバルチームにとっては、その可能性もうかがえるコースと言えるだろう。

波乱が潜むサーキットであることは、過去のレースを見てもうかがえる。オーバーテイクが難しいため、いつものグランプリ以上に予選順位が重要となるが、序盤のポジション争いが激しくスタートで混乱もよく起きるし、スタートで首位を守れても逃げ切りは簡単ではない。丘陵地帯にあるため天候が不安定になりやすいのもやっかいだ。

一昨年2021年は8番グリッドからスタートしたエステバン・オコン(アルピーヌ)がレース直前に降り出した雨による混乱もあって逆転優勝。昨年2022年はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が10番グリッドから優勝を飾った。

昨年のハンガリーGPではフェルスタッペンは前日の予選でパワーユニットのトラブルに見舞われて10番グリッドとなったが、決勝を前にしたパワーユニット交換で復調。スタート直後からハイペースで順位を上げると、その後は早め早めのタイヤ交換で上位に進出。タイヤ交換を引き延ばして粘っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)がピットに入るとついに首位に立ち、その後は危なげなくフィニッシュまで走り切った。フェルスタッペン自身も驚く逆転劇だった。

画像: ハンガロリンクのコース図。直線部分が短いためオーバーテイクが難しいと言われる。最大のオーバーテイクポイントは1コーナー。

ハンガロリンクのコース図。直線部分が短いためオーバーテイクが難しいと言われる。最大のオーバーテイクポイントは1コーナー。

【参考】2022年F1第13戦ハンガリーGP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)70周 
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+7.834s
3位 63 G.ラッセル(メルセデス)+12.337s
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)+14.579s
5位 11 S.ペレス(レッドブル)+15.688s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+16.047s
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +78.300s
8位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー) +1周
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー) +1周
10位 5 S.ヴェッテル( アストンマーティン・メルセデス) +1周
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12位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル) +1周 
19位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル ) +2周
ファステストラップ: 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:21.386

画像: 昨年のハンガリーGPはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が10番グリッドから優勝を飾った。

昨年のハンガリーGPはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が10番グリッドから優勝を飾った。

画像: 昨年のハンガリーGPのタイヤ戦略。バーチャルセーフティカー、セーフティカーの影響で2ストップが主流となったが、今年は1ストップとなる可能性もある。

昨年のハンガリーGPのタイヤ戦略。バーチャルセーフティカー、セーフティカーの影響で2ストップが主流となったが、今年は1ストップとなる可能性もある。

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