情報学の神様、アラン・チューリング氏に由来する社名のスタートアップは、最新AI技術ソフトウエアによるレベル5の自社製BEV量産を目指す。(Motor Magazine2023年8月号より)

目標は完全自動運転BEVの完成と生産販売

画像: 2030年に自社製の完全自動運転BEVを1万台販売という目標を掲げる共同創業者、山本一成CEO。

2030年に自社製の完全自動運転BEVを1万台販売という目標を掲げる共同創業者、山本一成CEO。

Turing(チューリング)株式会社は、 2021年8月に設立された完全自動運転BEVの製造と販売を目指す日本発のスタートアップ企業だ。社是ともいえるものに「We Overtake TESLA」を掲げ、短期間でBEVとAI自動運転の分野における自動車メーカーとして大きな成功を収めた、アメリカのテスラ社を超える日本の完成車メーカーとなることを見据えている。

チューリングの大いなる強みは、非常に高い能力を持つAIソフトウエア開発陣に恵まれていることだ。

同社が目指す完全自動運転システムは、あらゆる場面に対応できるレベル5のもの。それゆえ、レーダーやライダーなどといった各種センサーを使用せずに、カメラによる画像から認識された情報を元にクルマ側のシステムがその都度、最適な判断を下しながら車両の運転操作を行っていくという革新的な構成を採用している。

その完全自動運転システムが判断を行うために使用するのが「LLM」である。

「LLM」とは大規模言語モデル(Large Language Models)のことで、それは膨大な蓄積データとディープラーニングの技術で構築されている。LLMを用いた「AI(人工知能)チャットボット」の進化と能力の高さには目を見張るものがあり、近年ではそのひとつ「チャットGPT」で多くの人がLLMの驚くべきパフォーマンスを知るようになってきた。

現行型アルファードにアドオンされた制御システムが自律運転を披露

画像: アルファードに独自の操舵、加減速、制動などの指示を加える自動運転システムが搭載された試験車両。

アルファードに独自の操舵、加減速、制動などの指示を加える自動運転システムが搭載された試験車両。

今回、チューリングはそのLLMを用いた、クルマ側による自主的な判断のもとで車両を動かすという実際のデモンストレーションを実施してみせた。

千葉県柏市に新設された車両生産と研究開発の拠点となる「Turing Kashiwa Nova Factory(チューリング柏ノバファクトリー)」の工場見学会と合わせて行われたもので、現行型アルファードにアドオンされた制御システムが、運転者からの指示をもとに周囲の状況認識を行いながら判断を下して車両を動かすという様子を体感することができた。

現段階では、ひとつの動作に対しておよそ5秒ほどの判断時間が必要なので、クルマの動きはまだまだ緩慢なものであったが基本システムがきちんと構築されれば、あとは高速化するだけだ。

完全自動運転BEVの完成と生産販売という目標に向けて全力を傾ける若きスタートアップ企業、そのエネルギーと勢いに驚かされた工場見学会であった。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁/写真:チューリング、香高和仁)

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