現行モデル発表日:2021年11月27日
車両価格:847万円
あらゆるシーンにおいて走りを楽しめる万能選手
都内の一般道ではRSモデルとは思えないほどしなやかな乗り心地を示してくれた。とにかく、段差などに対するタイヤの当たりが柔らかく、ゴツゴツとした印象を与えない。しかも、ドライビングモードをコンフォートにしておけば、ダンパーが強引に姿勢変化を抑え込むこともなく、フンワリとした乗り心地を味わえる。
注目の5気筒エンジンは、アルミ合金製に切り替わった先代から独特のビート感が薄れ、6気筒と言われても信じてしまいかねないほどスムーズな回転フィールだ。これでエキゾーストノートが抜けのいい快音であれば、もはや言うことがないのだが、それは望みすぎというものだろう。
ワインディングロードに足を踏み入れたところで、さっそくドライビングモードを切り替えてみる。この段階では、まだタイヤの限界にはほど遠いペースだったが、それでもステアリング特性がはっきり変わることが実感できた。なにしろ「コンフォート」、「オート」、「ダイナミック」と切り替えていくたびにクルマが積極的に向きを変えようとする傾向が強まっていくのだ。
これに気を良くして徐々にペースを上げていく。アウディらしい、コーナリング時の安定した姿勢はこのRS3にもしっかりと受け継がれていて、おかげで路面がうねっていても最小限の修正舵を加えるだけで済む。こうしたスタビリティの高さには「クワトロ」も間違いなく貢献しているはずだ。
走りの質感では、従来のCセグメントのスポーツモデルの水準を大きく超えているように思えた。(文:大谷達也)
アウディ RS3セダン 主要諸元
全長:4540mm
全幅:1850mm
全高:1410mm
ホイールベース:2630mm
車両重量:1600kg
エンジン:直5ターボ
総排気量:2480cc
最高出力:294kw (400ps)/5600-7000rpm
最大トルク:500Nm(51.0kgm)/2250-5600rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:7速DCT
サスペンション形式:前ストラット、後ダブルウイッシュボーン
タイヤサイズ:前265/30R19、後245/35R19
乗車定員:5名
車両価格:847万円