素材にこだわったインテリアデザイン
インテリアもエクステリアと同様に直線的ですっきりした視界を実現するシンプルなデザインとなっている。従来モデルとは異なる水平2本スポークのステアリングホイールも、これにならったものだ。こうしたデザインに調和するように配置されているのがインパネトレーやカップホルダーなど使い勝手を高める収納の数々である。
収納の充実さは従来モデルから引き継がれているものだが、こだわりを感じさせるのがインパネまわりの表皮に採用される素材だ。ベージュをベースにしたN-BOXのインテリアにはコルクをイメージさせる素材や、リビングの壁紙のようなシボをデザインした素材など、プレミアム感と居心地の良さを感じさせるものとしている。
シート表皮の素材も同様にソファーのようなマテリアルを使用されるが、こちらはさらにベージュ系と黒系のツートンカラーとすることで室内空間の広さを強調するデザインになっている。シートバックの形状も上部を絞るように細くすることで視覚的な広さを演出しているという。
室内空間の広さだけではない。遊び心と優しさを詰め込まれた新型N-BOX
そして最大の特徴はやはり使い勝手の良さと広さだ。とはいえ、軽自動車の規格内であることから空間の拡大は少しにとどまる。パッケージングを磨くことで従来モデルと比較して頭上スペースを5mm、前席の左右幅を5mm拡大している。後席は従来モデル同様に大人が容易に足を組めるほどの足元空間の広さを確保し、その上で左右幅を55mm広くすることでショルダールームを拡大、居住スペースだけでなく荷室の積載性向上にもひと役かっている。
初代から実現されていた自転車の積載も、乗せやすさ向上、そして安定性も高められている。これはリアゲートの最低位置と荷室最後部のボードを低くすることで積載安定感も高められているのだ。
インテリアで面白いのがファミリー層に嬉しい細やかなしつらえだ。例えば後席左右にあるホルダーはペットボトルやティッシュボックスを挿入できるだけでなく、Nintendo Switchのような携帯ゲーム機を安定して収納できるサイズにされていること、充電可能なUSBソケットをオプションで用意しているなど、子どもが長時間乗ることを考えられているのだ。
さらにリアドア開口部の室内側内張りには低いところまでくぼみをつけられて、子どもがひとりで乗り込むときに手をかけやすいようになっているうえ、リアスピーカーのカバーはミニカーを走らせるのにちょうどいい幅のスリットを刻まれていると、とにかく芸が細かいのだ。
とある医薬品に「・・・の半分は優しさでできている」なんて有名なキャッチフレーズもあるが、N-BOXを見ているとまさにこれと同じような印象を抱く。もちろんファミリー層だけが恩恵を受けるものではない。誰がどの席に乗ってもこの優しさを感じられるはずだ。
そうそう、新型N-BOXの内外装には「N」の文字やイラストが隠されているという。5つは見つけられたのだが、これ以外にもまだ存在するようだ。実車を前にしたらどこにあるか探してみてはどうだろうか。
新型N-BOX、N-BOXカスタムのグレード編成や車両価格、主要諸元など詳しい情報はまだ公開されていない。2023年秋に発売予定で、これを前にした8月からホームページで情報を公開、先行予約の受付も開始するという。