現行モデル発表日:2022年11月29日
車両価格:259万8000円
おとなも走りに満足できるスポーティコンパクト
あまり事前情報を持たず、つまり先入観なしに試乗してみたアクアGRスポーツだが、そのしっかりした走りやクルマとの一体感の強さにいつのまにか引き込まれてしまっていた。このスポーティさは積極的に選んでいいかもと思う。
ただし不満もある。トランスミッションのCVTだ。もしこれがMTだったらもっと楽しいかも、と何度か思ってしまった。さらにエンジンを高回転まで回すとさすがに騒がしく、あまり心地良くない。
あらためてアクアGRスポーツの詳細を確認すると、全長が+45mmベース車よりもボディサイズが拡大されている。またフロントイオーバーハングは+20mm、リアオーバーハングも+25mm延長され、これがどうやらスポーティな印象を強くしているようだ。
走りのしっかり感は、剛性アップパーツの装着や足まわり系のチューニング効果である。具体的には、スタビライザーのバーの剛性を上げ、GRヤリスから流用したロアアームブッシュを装着、EPS制御マップ、ショックアブソーバー、バウンドストッパーなどをGRスポーツ専用にチューニングしている。
さらに電動パワーステアリングの制御を変更し、POWER+モード時には標準車よりも1段上のレスポンスを発揮する設定となっている。また、操縦安定性を高める工夫として、シャシにトンネルブレースを2本、リアバンパー リインフォース1本が追加されている。
ちなみにタイヤは205/45R17にサイズアップ、さらにセンターオーナメントの付いたブラック塗装の17インチホイールを装着する。
インテリアにも特別感が演出されている。ドアを開けるとまず視界に入ってくるヘッドレストにGRのロゴが入った専用のスポーティシートやグリップ部分にディンプル加工が施された本革巻き3本スポークステアリングホイール、アルミペダルなど気分を盛り上げてくれるアイテムがしっかりと装備されている。
こうしたプラスアルファがあるアクアGRスポーツだが価格は259万5000円と最上級のZグレード(2WD)の19万5000円高に抑えられている。パワートレーンは標準車と同じだが、これだけ装備や走行フィールが違うのであれば、この価格差はけっして高くはないといえるだろう。
トヨタ アクアGRスポーツ 主要諸元
●パワーユニット:1.5L 直3 DOHC+モーター
●総排気量:1490cc
●エンジン最高出力:67kW(91ps)/5500rrpm
●モーター最高出力:59kW(80ps)
●エンジン最大トルク:120Nm(12.2kgm)/3800-4800rpm
●モーター最大トルク:141Nm(14.4kgm)
●駆動方式:横置きFF
●サスペンション形式:前ストラット、後トーションビーム
●タイヤサイズ:205/45R17
●価格:259万5000円