単純に「カッコいい。これ欲しい」と思った
最近、そのスタイリングだけで「欲しい」と思わせるクルマがない。なぜなのか。クルマの総合力を語るとき、スタイリングの占める割合が減ってきたということか。スタイリング以外に語りたくなるクルマの技術的な魅力が増えてきたからなのか。そんな理屈をこね回しているのがバカバカしくなるほど、単純に「カッコいい。これ欲しい」と思ったのがジュリエッタ。こういう感覚を持つのは久々だ。
今年3月のジュネーブ国際モーターショーでデビューして以来、とにかく気になっていた。早く写真ではなく、実物を見てみたいと念願していたのだが、それが今回、叶った。初対面はイタリア、トリノ郊外にあるフィアットグループのバロッコテストコース内だった。
このスタイリングの最大の魅力はリアまわりだと思う。8Cコンペティツィオーネからミトへと引き継がれたデザインテイストが、また新たなものへと進化している。
左右に各36個のLEDを使い、数字の「6」を寝かしたようにアレンジ、そのリアコンビライトが実に豊かな表情を見せる。さらに、実質的な先代モデルである147と同じ手法でリアのドアハンドルを目立たないようにすることなどで、リアまわり全体をすっきりさせ、スポーティに仕立てている。
このところ、アルファロメオのリアデザインのうまさには感心するばかりだ。ブレラあたりから、このジュリエッタに至るモデルたちのリアのボリューム感とラグジュアリームードの演出の仕方は素晴らしい。
フロントは弟分のミトによく似ている。しかし、ヘッドライトがミトよりも前後に長い楕円であり、またそもそもボンネットが長いので、伸びやかな印象を受ける。愛嬌がたっぷりのミトに比べて、兄貴らしく精悍だ。
1.4マルチエアターボをメインとして伝統の1.75も用意
さて、スタイルだけでも十二分に魅力的なのだが、実はこのクルマ、中身も凄い。
まずはプラットフォームだが、高張力鋼板を多用した新設計だ。これはモジュラー方式で作られているので、様々なホイールベースに対応できるという。今後はこのプラットフォームが、フィアットグループのコンパクトモデル全般を担うことになるはずだ。サスペンションも新しい。フロントはストラット、リアがマルチリンクで、これも随所にアルミを用いることなどで、軽量化を実現している。
そして、エンジンもオールニューとなった。ガソリンエンジンの主力となるのは、1.4Lマルチエアエンジンというタイプで、170psを発揮する4気筒の直噴ターボだ。このスペックからして、デビュー当初のフォルクスワーゲンTSIエンジンを思い浮かべる人も多いだろう。そう「1.4L+過給器=170ps」ということでは同一だ。ところで「マルチエア」とは何かというと、スロットルではなく電子制御式の油圧駆動の吸気バルブでエアの吸入量を制御するという技術だ。これにより、低燃費でハイパワーを実現したという。
さらにアルファロメオの伝統を引き継ぐ排気量記号の「1750」こと1.75Lの直噴ターボ(最高出力235ps)と、マルチエアなしの1.4Lターボ(最高出力120ps)を用意している。また当初、組み合わされるトランスミッションは6速MTのみ。そして、1.75Lエンジン以外には、「スタート&ストップ(アイドリングストップ)システム」が標準装備される。
その他、ダンピングを抑え、アジリティを優先したという電動パワーステアリングを採用。ステアリングのギアレシオは、ゴルフやアウディA3より20〜30%クイックにしている。
また、エンジン、トランスミッション、ステアリングフィール、ブレーキフィール、フロントデファレンシャルなどを総合的に制御して3つのモード設定ができるアルファDNA(ダイミック/ノーマル/オールウエザー)は最新世代とされている。