広い室内に7つの大きな座席を設定、シートアレンジは最大1024通り
1997年に初代モデルがデビューした「カングー」は、実用性の高い広い室内、優れたハンドリング、快適な乗り心地、個性的なデザインなどが世界的に高い評価を受け、本国から遅れること4年の2002年に登場した日本市場でもこれまでにないコンセプトのコンパクトMPVとして、高い人気を集めてきた。現行3代目カングーは2021年にデビュー、日本には2023年2月に導入されている。
今回発表された「グランカングー」はそんな3代目カングーに追加されたロングホイールベース仕様。
長いホイールベースを生かして、2列目に3座、3列目に2座のシートを備え、両側スライドドアの開口部は180mm拡大され、3列目へのアクセスも容易になっている。2列目と3列目のシートは、スライド/折りたたみ/格納/取り外しが可能な独立型で、最大1024通りものシートアレンジが可能という。助手席のシートバックも可倒式で、倒せば最大3.11mの長尺物も搭載できる。
ラゲッジルーム容量は通常時500Lで、3列目シートを取り外し、2列目と助手席を畳めば最大3750Lまで拡張可能となっている。またテールゲートはカングーと同様、跳ね上げ式と観音開きドア式が用意される。
ガソリン、ディーゼルのほか最新のフル電動仕様もラインアップ
パワートレーンは130ps仕様のガソリンエンジンと95ps仕様のディーゼルエンジンのほか、最大航続距離265kmのフル電動仕様もラインアップ。
まったく新しいE-Techエレクトリックは、45Nmのトルクを発生する90kWモーターと45kWhリチウムイオン バッテリーを搭載し、あらゆる状況でもスムーズに効率よく走行するため6つの走行モードを持つ。充電は、22kWの急速充電器で2時間40 分でバッテリーを15%から80%まで、80kWの普通充では27分で170kmの航続距離を追加できる。
カングーの電気自動車バージョンは2011年以来、セグメントでベストセラーとなっているが、カングーの手頃な価格帯という基本コンセプトは踏襲されそうで、様々なパワートレーンに対応する姿勢も含め、その実用性と多目的性で再び市場に大きなインパクトを与えそうだ。