2007年のジュネーブオートサロンで復活を果たしたアバルトブランドは、2010年春にはアバルト プント エヴォとアバルト 500Cという2モデルを投入。Motor Magazine編集部はイタリア本国でこの2台の試乗テストを敢行している。今回はこの時の様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年8月号より)

洗練されたスムーズな走りを見せたアバルト プントエヴォ

アバルトを名乗るモデルが復活し、市場投入されてから2年半になる。この間に販売された完成車は2万2000台ほどで、チューニングキットは約5000セットだそうだ。販売のおよそ40%はイタリア国内で、残りの60%が海外ということになる。現在、世界には150のショールームがあり、300のサービス工場がある。復活以来ここまで、ビジネスは順調に伸びているようだ。そして今回、新たに投入されたのがアバルト プントエヴォとアバルト 500Cだ。

画像: クルマの挙動がつかみやすいのもアバルト プントエヴォの魅力のひとつ。

クルマの挙動がつかみやすいのもアバルト プントエヴォの魅力のひとつ。

アバルト復活後、初めて投入されたのがアバルト グランデプントだった。そのベースモデルであるフィアット グランデプントがフェイスリフトでプントエヴォになったことを受けて、間髪おかずに登場したのがアバルト プントエヴォだ。そうした背景、要はグランデプントでの経験があるため、アバルト プントエヴォは非常にまとまりがよく、うまく仕上がっている。

まず搭載エンジンだが、ジュリエッタ、ミトと共通の1.4Lマルチエアターボで、最高出力は165psとなっている。従来型は155psだったので、プラス10psということになる。ただし、燃費は従来型より約10%向上している。また、ハイパフォーマンスキットの「エッセエッセ」を装着した場合は、180psで、これは従来型の同キット装着時と同じ最高出力だ。

新たに標準装着されたのはスタート&ストップシステムで、これにより市街地モードでは約10%、燃料消費量を低減するそうだ。また、運転席ニーエアバッグをはじめ、7つのエアバッグを装着するなど、安全装備の充実化も図られている。

さらに上質さを増したフィーリング

エクステリアは「運動性能とエアロダイナミクスの向上」を目標に、大幅に手が加えられた。まずフロントはオーバーフェンダーに合わせてバンパーを拡大し、両サイド下にはエアインテークが設けられた。これにより見た目の迫力がかなり増しているが、エアロダイナミクスの向上にも貢献している。リアエンドにもサイドエアアウトレットを組み込んだ新設計のバンパーが装着されている。

画像: アバルトプントエヴォ。トランスミッションは6速MTで、スタート&ストップシステムを標準装備。オフにもできる。

アバルトプントエヴォ。トランスミッションは6速MTで、スタート&ストップシステムを標準装備。オフにもできる。

インテリアもベース車の変更に応じて、大幅にリニューアルされた。センターコンソールのスイッチ類は、上部のオーディオセクションと下部の空調セクションとに分割された。シートは基本骨格に変更はないが、素材や細部の形状をリファインして、座り心地や通気性、耐久性を向上させたという。

試乗したのは、フィアットグループが持つバロッコのテストコース。そこにヘアピンカーブから中速コーナー、160km/hくらいは出る高速コーナーで構成される1周3分ほどのコースが設定されていた。これと同様のコースは2年半前にアバルトグランデプントで走ったことがあるので、そのフィーリングを思い出しながら走った。

相変わらず扱いやすいクルマだと感心したが、そのフィーリングはさらに上質になったように思う。パワーは10psアップしているのだが、それを持て余すようなことはまったくなく、それをうまく消化して、より洗練されたスムーズで速い走りを実現している。

また、コーナーでの挙動には唐突なものがないので安心できる。ドラテクを磨くには、よいクルマだと思う。また、スポーツモードを選択するとフィーリングがガラリと変わる。TTC(トルクトランスファーコントロール)が自動的にONとなり、エンジンレスポンスが機敏になる。この変化の大きさはアバルトらしくて楽しい。

 

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