アウディの高性能車シリーズ「RS」の性能をさらに向上させたモデルが登場した。それが「パフォーマンス」だ。RS7 スポーツバックとRS6 アバントの2モデルにラインナップされた超弩級モデルに米西海岸ナパバレーで試乗した。(Motor Magazine2023年10月号より)

湧き上がるトルクと優れた加速力

赤いスターターボタンをプッシュすると低いV8ツインターボの唸り音が耳に入って来る。まずは「コンフォートモード」でスタートする。このモードでは低い回転域から発生する十分なトルクとソフトなダンパーセッティングにより落ち着いた挙動でスムーズな市街地ドライブを楽しませてくれる。

画像: RS6 アバント パフォーマンス。パワートレーンは630ps、850Nmと同じ。

RS6 アバント パフォーマンス。パワートレーンは630ps、850Nmと同じ。

とくに48VのMHEVはストップ&ゴーではスムーズな再スタートを見せる。続いての山間路では「スポーツ」を選ぶと、非常に敏感になったエンジンピックアップでわずかにアクセルペダルを踏み込んだだけでモリモリとトルクが沸き上がり、上り坂でもぐいぐいと加速する。

やがて道幅は狭くなるが2m近い幅にもかかわらずフィードバックの確かなステアリングのお陰で、対向車が来ても安心して通過できた。さらにオプションのセラミックカーボンブレーキは2トンを超える4ドアハッチバックをコーナーの手前で絶妙なコントロール性を保ちながら確実に速度を下げる。

次に「スポーツプラス」を選択するとパワープラントはさらに敏捷にそして豪快に反応、確実なトラクションを発揮、電制デフの助けもあり、ちょっとしたラリーのスペシャルステージを体験できた。その際にATの変速スピードが短縮されたことにも気づいた。電制ダンパーは段階的にハードになりボディを締め上げるが、ある程度の快適性は残されている。

続いてRS6アバント パフォーマンスでテストコースへ向かった。そこは一般道路、ワインディング、アップダウンそしてハイウェイと変化に満ちたルートであったが、このワゴンバージョンは終始快適で、高品質で趣味の良いキャビンに満足しながらのロングツーリングにも適したスポーツツアラーであることがわかった。

おそらくアウディスポーツのICE搭載モデルでは最後のシリーズとなるRSパフォーマンスは、限定モデルではなく通常販売される。ドイツでのベースモデルの価格は19%の付加価値税込みで13万5000ユーロ(約2053万円)と発表されている。なお日本での価格や発売時期はまだ発表されていない。(文:木村好宏/写真:Kimura Office)

アウディ RS7 スポーツバック パフォーマンス主要諸元

●全長×全幅×全高:5009×1950×1424mm
●ホイールベース:2930mm
●車両重量:2065kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:463kW(630ps)/6000rpm
●最大トルク:850Nm/2300-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●WLTPモード燃費:8.0-8.3km/L
●タイヤサイズ:275/35R22

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