2023年9月10日、WEC世界耐久選手権第6戦「富士6時間」の決勝が行われ、ポールポジションからスタートしたトヨタ7号車が逃げる6号車ポルシェをレース後半に逆転して優勝を飾った。2位にもトヨタ8号車が入り、トヨタは地元で1-2フィニッシュを達成した。これでトヨタは最終戦を待たず5シーズン連続、通算6度目となるマニュファクチャラータイトルを確定、ドライバーズタイトル決定は最終戦に持ち越しとなった。
トヨタ7号車が凱旋レースを完全制覇するポールトゥウイン
前日行われた予選では、トヨタ7号車を駆る小林可夢偉がポールポジションを獲得。トヨタ8号車が2番手で続き、決勝グリッド2列目にポルシェ6号車、ポルシェ5号車が並んだ。
快晴の下、日曜日午前11時にスタートが切られた決勝は、6時間耐久レースであるにもかかわらずオープニングラップから激しい攻防となり、接触が相次ぐ中で1周目からセーフティカーが導入される波乱の展開。レース序盤はポルシェ6号車が抜け出してリードすることになる。
トヨタの2台は序盤の混乱で順位を落とし、ポルシェ、フェラーリなどのハイパーカーと接近戦を繰り広げながら、徐々に上位に進出。4時間を迎える直前に、トヨタ8号車がついにポルシェ6号車を捉えてオーバーテイク、首位に浮上した。
その数分後、2位のトヨタ7号車が最後のドライバーとして小林可夢偉へ、翌周首位のトヨタ8号車がハートレーに交代。8号車は7号車の前でコースに復帰したが、7号車小林が猛烈な速さで追い上げ、8号車をパス。
首位に立った7号車の小林は、ポルシェ6号車との間に8号車を挟む形で、さらにファステストラップを叩き出すなど後続との差を広げ、レース終盤は後続との差をコントロールしながら周回を重ね、229周でトップチェッカーを受けた。トヨタ8号車は2位でゴール、トヨタは1-2フィニッシュという最高の形でホームレースを終えた。
レースの内容は決して容易なものではなかったが、結果だけ見れば、トヨタは最前列スタートから完璧な1-2フィニッシュを達成することになった。