カテゴライズとしては、GLE/GLEクーペの系譜に連なる新型BEV「EQE SUV」がデビュー。Eクラス系列としての本流感とともに、次世代ツアラーとしての革新性の絶妙なバランス感覚に、メルセデス・ベンツが至る新たな境地が見えた。

長旅での充電時間が苦にならない「速さ」。電費効率を磨きぬく

ここまでまとまりが良いと、ともすれば万人受けを狙った退屈なドライビング、を想像させてしまうかもしれない。けれど、EQE SUVの場合は心地よさが先にたつ。そこには、尖がった走りが欲しくなるような余地はない。グランドツーリングに出かけるなら、これほどストレスフリーなBEVも珍しいのではないだろうか。

画像: GLEに対して全高が110mm低い1670mmに抑えられていることも、扱いやすさにつながるのではないだろうか。最低地上高は160mmが確保されており、路面のコンディションにはかなりフレキシブルに対応できるはずだ。

GLEに対して全高が110mm低い1670mmに抑えられていることも、扱いやすさにつながるのではないだろうか。最低地上高は160mmが確保されており、路面のコンディションにはかなりフレキシブルに対応できるはずだ。

味わい深いと思わせてくれるのが、さまざまなシチュエーションに対応した効率の高さを体感できるところだろう。Cd値0.25というSUVとは思えないエアロダイナミクスは、ボディ下面の細部に至るまで空力的な調律が徹底されている。自然でよどみのない加速感は、ここから生まれる。

日常から運転のしやすさに結び付く高効率と言えば、ボディサイズにも注目したい。Eクラス系列の中ではもっとも全長が短い4880mmは、コクピットに座っていても無駄な大きさを感じさせない。

ホイールベースは3030mmが確保されるが、後輪操舵の採用によって最小回転半径はBセグメントなみの4.8mに収まっているのも嬉しいポイントだ。これなら、奥さんにも比較的気軽に普段使いを楽しんでもらえるのではないだろうか。

500kmを超える航続距離は、やはり心強いポイント。搭載されるのは、89kWhの大容量リチウムイオンバッテリーだが、急速充電は最大で150kWタイプに対応する。最近は日本の高速道路でも設置が進んでいる90kWタイプなら、電池残量10%から50%の充電が約30分で済む。

電費効率を改善するための新しい制御技術は、ドライバビリティの面でもメリットが感じられた。たとえば、メルセデス初のDCU(ディスコネクトユニット)の採用。走行状況に合わせてフロントモーターとドライブシャフトの連結を解除してくれる。パワーフローをちら見しながらセーリングをしていると、効率の良いドライビングを自然にマスターすることができそうだ。

さらにわかりやすく高い効率を実感できるのは、インテリジェントな回生ブレーキだろう。シフトパドルによって回生の減速度を設定できるのだが、とくに注目は「D Autoモード」。先行車との車間距離を自動的に調整しながら減速の強弱を効率よく制御してくれる。

こちらは時にワンペダル的な強めのアシストが入ることもあって、慣れないとちょっとびっくりするかもしれない。それでもほどなくなじんでくれば、積極的に使いこなしたくなる機能と言える。

キラキラコーデすらも心地よいインテリア。充足感に満ちた時間が流れる

実は試乗日はあいにくの雨模様。それどころか台風の接近で、そうとう強烈な雨模様の中でハンドルを握ることになった。それでも、EQE SUVの室内は本当に居心地がいい。優れた快適性はもちろんなのだけれど、インテリアデザインの未来感が、やっぱり「ちょうどいい」塩梅に感じられたからだ。

画像: 大型のセンターディスプレイからセンターコンソールへとつながるラインは、適度な包まれ感を演出。ハンドル越しのデジタルメーターは小ぶりで、ほどよいパーソナル感を生んでいる。

大型のセンターディスプレイからセンターコンソールへとつながるラインは、適度な包まれ感を演出。ハンドル越しのデジタルメーターは小ぶりで、ほどよいパーソナル感を生んでいる。

左右に広がるトリム部には小さなスリーポインテッドスターがちりばめられ、まるで宇宙空間のような雰囲気を醸し出す。

試乗車はネバグレー/ビスケーブルーの本革内装にアンビエントライトを配したインテリアで、全体的にきらびやか。乗り手によっては時にオーバーデコレーションな印象を受けるかもしれない。けれど、丸型クラシックタイプのデジタルメーター表示など、実際には適度なアナログ感を感じることもできて、派手さの割には落ち着くことのできる空間だった。

センターディスプレイは、タブレットPC感覚でインフォテインメントやコンフォート関連などの設定を操作できるのだが、ここでひとつ、オーナーになったら楽しんでほしいのが「サウンドエクスペリエンス」機能だろう。

冒頭に述べたとおり恐ろしく静粛性が高いのは良いのだけれど、運転する側としては時にはちゃんと「運転している」感を実感したくなる時もある。EQE SUVはそんなときに、3種類のサウンドで「内燃機関感」を操っている気分を、演出してくれるのだ。

個人的に気に入ったのは「Silver Waves」で、いかにも効率の良いエンジンを回して走っているような気分になれる。ユニークなのは「Roaring Pulse」だろう。ちょっとV8のドロドロ感がほほえましい。興味深いのはそれぞれがいかにも、車外からかすかに伝わってくるように響いてくるところ。音があっても、BEVらしい上級感を損なうことはまったくない。

このほかにもEQE SUVには、さまざまな発見がありそうだが、それはもうオーナーになってからのお楽しみということで。家族みんなでその多機能ぶりを、ぜひ試してみて欲しい。いろんな意味で興味の尽きない「秘めたる才能」が、隠されていそうだ。(写真:伊藤嘉啓)

EQE 350 4マティック SUVローンチエディション主要諸元

●全長×全幅×全高:4880×2030×1670mm
●ホイールベース:3030mm
●車両重量:2630kg
●モーター:交流同期電動機
●システム最高出力:215 kW(292ps)
●システム最大トルク:765Nm
●前モーター最高出力:71kW/2682-16031rpm
●前モーター最大トルク:251Nm/0-2682rpm
●後モーター最高出力:144kW/2662-15913rpm
●後モーター最大トルク:514Nm/0-2662rpm
●バッテリー総電圧:330V
●バッテリー総電力量:89kWh
●WLTCモード航続距離:528km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:255/45R20
●車両価格(税込):1369万7000円

This article is a sponsored article by
''.