アルピーヌ A110 S「時にコンフォート、時にスポーツカー」
クルマは長距離を走り、一緒に過ごす時間が長くなればなるほど真の顔が見えてくると思っている。アルピーヌ A110 Sはずっと長旅がしたいと思っていた1台である。
そもそも2022年末にフランスのディエップ工場を訪れ、ほぼ手作りでていねいに組み立てられる実際の生産現場を見てから、改めて価格を確認したとき、「安すぎないか?」と思ったほどである。
東京から西浦まで走り、さらにサーキットでもハンドルを握ったが、素晴らしいパフォーマンスに脱帽し、この思いをさらに強くした。A110 Sは、時にはコンフォートカーであり、時にはスポーツカーであった。
ちなみにポルシェ 718ケイマンGTS4.0もロングドライブは苦にならない、否、実に楽しい。( 千葉知充)
ポルシェ 718ケイマン GTS 4.0「街乗りでも最高に気持ち良い」
この企画を聞いた時、思わず開始前からワクワクしていた。しかも6台中唯一の自然吸気エンジンを搭載するポルシェ 718ケイマンGTS4.0を担当する。これは役得だよなと思いつつ、しっかりとその魅力を堪能してきた。
搭載する4Lのフラット6はアクセルペダルを踏んだ瞬間から気持ち良く、7000rpmまで回さなくても、ポルシェらしく各操作に対するシンクロ率の高さが街乗りでも運転を楽しませてくれる。
このエンジンとこの感覚だけでも選ぶ価値があると思うのだが、大型化した911に比べて扱いやすいサイズ感と軽量なボディ、それでいて前後にある広い荷室スペースなど2シーターながら実用性が高いのも718ケイマンを選ぶ理由だと感じた。(中村圭吾)
メルセデスAMG C43 4マティック「穏やかにも激しくも走れる万能車」
運転席に座った第一印象は乗り慣れた「いつものメルセデス」だ。しかも一般道や首都高での走りはAMGモデルとは思えぬ穏やかさで拍子抜けした。しかし、新東名で走行モードを「S」や「S+」に変えるとキャラクターが豹変。
直4ターボとは思えぬエンジンサウンドを響かせながら、「普通のCクラスセダン」とは明らかに異なる勢いで加速していく。日常向きの普通のセダンと、高性能なスポーツセダンという二面性を楽しめる。
ちなみに今回の取材では、ゆとりある後席はスタッフの移動や待機に、広い荷室は撮影機材などを運ぶのに重宝したほか、高速主体の走行だとカタログ値以上の燃費も出るなどGTセダンとしての性能の高さにも惹かれた。(小泉優太)