2023年9月28日から10月1日にかけて、世界ラリー選手権(WRC)第11戦「ラリー・チリ・ビオビオ」が南米のチリで開催される。ステージはグラベル(未舗装路)で、流れるようなコーナーが続く森林地帯の中高速コース。ただ、ラリー・チリの開催は4年ぶりで、多くのドライバーにとっては新たなチャレンジとなる。2023年のWRCも残すところ3戦、最終戦ラリー・ジャパンに向けて、いよいよタイトル争いも大詰めを迎える。
ギリシャと比べるとはるかにスムーズで高速なグラベルイベント
2023年のラリー・チリは、9月28日(木)の午前中にシェイクダウンが行われ、ビオビオ県の首府「ロス・アンヘレス」で夕方7時から行われるセレモニアルスタートで開幕する。
競技は29日(金)の朝から始まり、サービスパークの南東エリアでデイ1として3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走る。このデイ1は1本目のステージのみ4年前と一部重なっているが、進行方向は逆になる。
一方、30日(土)のデイ2は前回とあまり変わらず、サービスパークの南側で3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。太平洋を見下ろす風光明媚なステージを含むデイ2は、ステージの合計距離が154.00kmに達し、3日間で最長の一日となる。
ラリー最終日となる10月1日(日)のデイ3は、サービスパークの東側で新たに設けられた2本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。4本のステージの合計距離は54.12kmと短く、そのうち最終のSS16は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
全16本のステージの合計距離は320.98km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1239.43kmとなる。
はたして4年ぶりの開催となるラリー・チリはどうなるか。前回と開催時期が異なり、同じステージは数本しかないため、ほとんど新しいラリーのようなもの。過去の知識はあまり活用できないだけに、どのドライバーが勝利をあげるか興味深い。
なおトヨタチームは、ロバンペラ、エバンス、勝田貴元が、3台のGRヤリスでワークスエントリーしている。