2010年1月、MINI第4のモデル「MINIカントリーマン」が公開されて大きな話題を呼んだ。その後、「MINIのSUV」とも言えるこのモデルは、「2011年春にMINIクロスオーバーの名称で日本に導入」されることも明らかになっている。そんな中、Motor Magazine誌は正式発表前の「MINIカントリーマン」のプリプロダクションモデルの試乗テストに参加している。ここでは欧州で行われた試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年9月号より)

前後50:50まで駆動力配分が変化する4WDシステム「ALL4」を採用

MINIカントリーマンのキーワードは「ALL ABOUT 4」。これはMINIファミリー4番目のモデル、全長4m、4WDシステム、4ドア、4シーター、4気筒エンジン、4シーズンカーという意味だ。

対面したMINIカントリーマンは、ホイールを四隅に配置した下半身が安定したスタイルを持ち、4枚あるドアに違和感もなかった。これは紛れもなくMINIそのものだ。

MINIカントリーマンが採用する4WDシステム「ALL4」は、通常時は前100:後0という駆動力配分だが、状況に応じて前後50:50まで変化する。これを搭載したクーパーSの車両重量は1375kg。2WDのクーパーSが1310kgだから、重量増は65kgということだ。また、MT車にはエンジンのスタート/ストップ機構やブレーキ回生システムなど最新MINIのミニマリズムがしっかりと採用されている。

エンジンは、Oneとクーパーには1.6L NA、クーパーSには直噴ターボが搭載されるが、試乗車として用意されたのは、クーパーSのALL4 だ。試乗コースはミニサーキットなので、ウエット路面も含めた限界域でのテストもできたが、滑りを感じた瞬間に姿勢を立て直し、何事もなかったように走り続けていく。この「ALL4」の完成度はかなり高いものだと言えるだろう。

新世代エンジンが採用されたクーパーSは、低回転からの力強さが漲り、パフォーマンスに不満など覚えなかった。シフト、ハンドル、ペダルといった操作系も軽い。これなら、非力な女性でも楽に操作することができるだろう。それでいてMINIのダイナミックな乗り味は健在だから価格次第ではかなりの人気モデルとなるだろう。

試乗後、MINIブランドの責任者Dr.ウォルフガング・アーンブレヒト氏に「ゴーカートフィーリングは味わえましたか」と聞かれたので「ええ、存分に」と答えると、「Oneやクーパーは、また違ったキャラクターを持っていますよ」という。その別キャラクターも早く味わってみたいものだ。

正式な市販モデルのカントリーマンは、7月からその生産が始まり、日本への導入は来春(2011年春)の予定である。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充)

画像: 4枚ドアを持つ4シーターのMINIカントリーマンは、4気筒エンジン、4WDシステムを搭載。全長も(約)4mだ。

4枚ドアを持つ4シーターのMINIカントリーマンは、4気筒エンジン、4WDシステムを搭載。全長も(約)4mだ。

MINIクーパーS ALL4 カントリーマン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4108×1789×1561mm
●ホイールベース:2595mm
●車両重量:1375kg 
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:135kW(184ps)/5500rpm
●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1600-5000rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:4WD
●0→100km/h加速:7.6秒
●最高速度:215km/h
※EU準拠

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