ポルシェ マカンTなら最高のハンドリングが味わえる！ダイナミクス理論の探究が叶えたのは「バランスの良さと爽快感」

街中を少し走っただけでも、明らかな軽さを実感できる

これらの効果がどれほどの違いを生んでいるかというと、100mも走ればわかるはずだ。街中の交差点をひとつ曲がればその回頭性の良さに驚くのではないだろうか、というレベルだ。

パワートレーンはベーシックグレードのマカンと同じだが、間違いなくコーナリングスピードは上がっているし、車高によっては速度も向上しているはずだ。低速度域でも路面によりしっかりパワーが伝わっているし・・・と、ドライバーの感覚の域は出ないのだが、後輪への最適な駆動力配分もそういった感覚を押し上げてくれているのだろう。やみくもにパワーアップしなくても、体感的に速く感じさせる手段はいくらでもあるということを、改めて教えてもらったと感じた。

もうひとつ、マカンTの良いところは、身体にピタッとフィットする一体感がより一層増した点だ。クルマがひと回り小さく感じられ、オーダーメイドのドライビングスーツを着たような感覚。マカンはほかのSUVに比べると、サイズの合わない服を着ている感じは少なかったが、マカンTには違和感が一切なかった。

マカンは現行型のマカン3となって、ベーシックマカンの走りのクオリティがグッと向上しており、個人的にもマカン2までは、SやGTSじゃないとポルシェらしさを感じられないと思っていた。だが、「3はベーシックがいいじゃん！」となり、それが今回マカンTを試乗して、「マカンならTがイチオシ！」と迷いなく言えるようになった。

「４枚ドアのポルシェなんてポルシェじゃない！」とお考えの方は、とくにマカンTに乗っていただきたい。目から鱗が落ちる感覚を味わえるのは間違いないのだから。（文：竹岡 圭／写真：村西一海）

ポルシェ マカンT主要諸元

●全長×全幅×全高：4730×1920×1600mm
●ホイールベース：2807mm
●車両重量：1865kg
●エンジン：直4DOHCターボ
●総排気量：1984cc
●最高出力：195kW（265ps）／5000－6500rpm
●最大トルク：400Nm／1800－4500rpm
●トランスミッション：7速DCT（PDK）
●駆動方式：4WD
●燃料・タンク容量：プレミアム・65L
●WLTCモード燃費：9.3ー9.9km／L
●タイヤサイズ：前265／45R20、後295／40R20
●車両価格（税込）：901万円

ポルシェ マカンT12

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