ラグジュアリーSUVの先駆けにしてベストセラーといえるベントレー ベンテイガ。それにホイールベースを延長したEWBが加わった。リアキャビンはさらに広く、より快適性を向上させた豪華な室内空間とは。(Motor Magazine2023年11月号より)

標準ボディと変わらない筋肉質で引き締まったスタイリング

画像: リアホイールステアリングシステムを採用し、ホイールベースが延長されても取り回しはよい。

リアホイールステアリングシステムを採用し、ホイールベースが延長されても取り回しはよい。

EWB(=エクステンデッドホイールベース)とはロングホイールベースのイギリス流の言い回しである。だからといってベンテイガEWBが単なるロングホイールベース版とは言い切れない。むしろ、ベンテイガEWB]Bのことを知れば知るほど、ベントレーがこのモデルをベンテイガとは別のキャラクターに位置づけようとしていることが浮かび上がってくるようで実に興味深い。

とはいえ、ベンテイガEWBのホイールベースが標準モデルより180mm延長されているのは事実。これによって懸念されるボディ剛性の低下についてはフロア部分を新設計することで対処している。

さらにベンテイガとして初となる後輪操舵機構を搭載するとともに、アクティブアンチロールバーの「ベントレーダイナミックライド」を標準装備。ボディが大型化してもベントレーらしい機敏で正確なハンドリングを維持するとともに、市街地での取り回し性にも配慮している。

こうして完成したベンテイガEWB、不思議なことにその外観からはボディが大きくなったことがほとんど感じられず、標準ボディと変わらない筋肉質で引き締まったスタイリングに仕上がっている。いったいこれは、どうしてなのか?

ベントレーのエクステリアを担当したデザイナーによると、当初は200mm程度までホイールベースを延長する案もあったが、これだけ伸ばすと間延び感が生まれてしまうため、最終的にオリジナルより180mm長い3175mmにすることに決定。

さらに、リアタイヤの上部に刻み込まれたホーンチラインと呼ばれるキャラクターラインの位置と角度を最適化し、オリジナルと見紛うばかりの精悍なデザインに仕上げたという。

ホイールベースの延長により後席の快適性がさらに向上

画像: ベントレーエアラインシートスペシフィケーションは22通りのシート調整ができる。リラックスモードでは最大で40度までリクライニングが可能。

ベントレーエアラインシートスペシフィケーションは22通りのシート調整ができる。リラックスモードでは最大で40度までリクライニングが可能。

そしてロングホイールベース化によってキャビンスペースが拡大したリアシートは、ウェルビーイング(健康や幸福などの意味)をテーマにさらなる進化を遂げることになった。

標準設定となる4+1シート(いわゆる5名乗車モデル)でも後席を16ウェイに調整できるほか、ヒーターやベンチレーションはもちろんのこと、左右独立で5種類のマッサージプログラムを用意し、珠玉の快適性が味わえるが、さらに贅沢な空間に仕上げられたのが4シート仕様に設定されたベントレーエアラインスペシフィケーションと呼ばれるオプションだ。

こちらはリアシートが最大で40度までリクライニングするリラックスモードが用意されており、このモードを選べあば助手席がいちばん前まで自動で移動するとともに︑助手席の後側からフットレストが展開し、ゆったりくつろいだ体勢をとることができる。

エアラインスペシフィケーションには、乗員の身体が接触している箇所の温度や湿度をセンサーが計測してヒーターやベンチレーターを自動調整するシートオートクライメート、太もも、肩、腰部のシート形状を継続的に少しずつ変化させることで血流の滞りや疲労の蓄積を防ぐポスチュラルアジャストなどの機能も装備されており、パッセンジャーのウェルビーイングに最大限、配慮した居住空間に仕立てられている。

もちろん、ステアリングホイールを握れば、ドライバーズカーとしての魅力を余すところなく堪能できる点にこそ、ベントレーの真骨頂はあるというべきだ。

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