BEV化がもたらすスケールメリットを表現
さてもう1台のツアラーに似合うキャラとして選ばれたのは、KEI。YUKIと同世代か、もう少し年上らしき女性だ。「宇宙旅行などの未来の旅をサポート委するスタートアップ企業の役員」と設定されている。社交的で仲間が多く、人生を楽しむ時間をなによりも大切にしている・・・こちらは、なんとなく身近に実在するような気がする。
ツアラーのカテゴライズは、ずばり「プレミアムEVミニバン」。エクステリアから快適な旅をイメージさせるために、滑らかなボディパネルとシャープならキャラクターラインを絶妙に組み合わせたデザインを採用している。日産はこれを「日本の伝統美を表現する」ものとして定義した。「次期エルグランド」に対する期待感を煽るのは、こうしたキャラクター付けの兼ね合いにもポイントがありそうだ。
もっとも注目すべきは、BEV化されたことによるパッケージングの革新だろう。オフィシャルな売りとしては完全自動運転技術の採用によって、運転席と助手席を後席と向い合せにすることができる、という「シートアレンジの妙」がある。だがどちらかといえば、それを実現するための技術的アプローチのほうに、プレミアムなミニバンとしての将来性を期待したい。
公開されたリリースを読むと具体的にはまず、「小型化した各コンポーネントを統合し」というくだりに興味津々。コンポーネンツの集約化はサイズの小型化=ユーティリティの拡大のみならず生産性、ひいてはコスト面でもメリットが大きいと思われる。
さらに「高いエネルギー密度の全固体電池」が搭載される。日産は2021年に発表した「Nissan Ambition 2030」という長期ビジョンの中で、2028年までに全固体電池を実現することを宣言している。ツアラーはそういう意味で、しっかり近未来のBEVに求められる技術的理想の日産的実現を、イメージさせてくれていると言える。
フォートナイトの世界で、本当の魅力を「実体験」
ちなみにツアラーの駆動方式は、進化型の「e-4ORCE」が搭載されるという。現行のエクストレイルにも採用されている電気駆動4輪制御技術の進化版だけに、一気にリアリティが増すような気がするではないか。
ことほどさようにともすれば「夢物語」と思えるコンセプトカーたちから、リアルにつながるきっかけのような「何か」を見つけるためにもぜひ、JMSの日産ブースを訪ねて欲しい。加えて、人気シューティングゲーム「フォートナイト」のプレイが可能な環境にあるのなら、ゲーム内の「NISSAN ELECTRIFY THE WORLD」でその世界観を体験してみて欲しいと思う。
そもそも今回の4台は、コンセプトカーと言いながらも3D CGとしてのポリゴン感が恐ろしく明確なところが特徴。だからこそ、その本当の魅力を理解するためにはやはり、バーチャルな空間で「目の当たりにする」しかないように思える。
10月19日からは、クロス新宿ビジョン(東京 新宿駅東口資金の街頭ビジョン)において、ダイナミックな先行プロモーションVがパワープレイされているという。そちらも、お見逃しなく(10月25日までの期間限定)。