マセラティの象徴であるブルーを基調に電動化をアピール
1914年にマセラティ兄弟によってイタリア・ボローニャで誕生したマセラティは、F1グランプリ創設当時の1950年代にはサーキットで躍動し、その優秀な成績で世界的な名声を獲得した。
長い歴史と伝統をもつマセラティはイタリアの文化と深く結びつき、今や「マセラティ」というブランドはイタリアにまつわるあらゆるものに影響している。
そんなマセラティは2023年、モナコのMSG(モナコ・スポーツ・グループ)レーシングとパートナーシップを結び、フォーミュラEのシーズン9でシングルシーターの世界選手権に復帰。いきなりポールポジション2回、表彰台4回、そしてジャカルタでは1957年のドイツGP以来となる勝利をあげ、チームランキング6位に入っている。
2025年までに全モデルに完全電動化モデルを導入し、2030年までには全モデルを電動化する予定のマセラティにとって、フォーミュラEへの参戦は過去と未来を結ぶ架け橋であり、モータースポーツの新時代を担うレーシングカーはマセラティの戦略と革新への意欲と一致するものだ。ちなみに、マセラティの電動化を象徴する「マセラティ フォルゴーレ」は、マセラティ初の100%電気自動車として登場している。レース中に使用される全エネルギーの40%が回生エネルギーでまかなわれる
全エネルギーの40%が回生エネルギーでまかなわれる
今回公開されたフォーミュラE参戦マシン「新型マセラティ ティーポ フォルゴーレ」のカラーリングは、マセラティの象徴であるブルーを基調に、ノーズにトライデントマークを配し、フォルゴーレモデルの特徴的な色調を想起させる「ラメフォルゴーレ(銅=コッパーの輝き)」をアクセントで加えたもの。
Gen3パッケージを使用した車両は、350kWの出力で最高速度は時速200マイルを超え、600kWの回生ブレーキ機能により、レース中に使用される全エネルギーの40%が回生エネルギーでまかなわれる。そして、レースでの経験が今後の公道車モデルの開発に引き継がれることから、フォーミュラEとマセラティMSGレーシングの活動は、マセラティの車両開発においても重要な役割を果たすことになる。
ドライバーは昨シーズンのジャカルタでの優勝など通算3勝をあげ将来のチャンピオン候補と目される有望な若手マクシミリアン・ギュンターと、昨シーズンはFIA F2で活躍したルーキードライバーのジェハン・ダルバラのふたり。若きふたりのドライバーで頂点を目指す。
2023-2024FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10は、プレシーズンテスト終了後、2024年1月13日にメキシコシティで開幕。3月30日には東京ラウンドを初開催し、7月21日のロンドンでの最終戦まで、全16戦でチャンピオンシップを争う。