2023年10月28日(土)から11月5日(日)まで、東京ビッグサイトにて開催されるジャパンモビリティショー2023(以下、JMS)。そんな同イベントにおいて、トヨタの燃料電池を使用したハイブリッド鉄道車両「HYBARI」(FV-E991系)が展示され、話題を呼んでいる。

鉄道事業者と自動車メーカーのタッグで開発された、未来の電車

画像: 今回、JMSに展示されたのは燃料電池装置を搭載した2号車。車両ごとに機能が分けられている。

今回、JMSに展示されたのは燃料電池装置を搭載した2号車。車両ごとに機能が分けられている。

「HYBARI」が展示されているのはJMS会場内の西展示棟1階「Tokyo Future Tour」の出口付近。
同列車はFV-E991-1(1号車)とFV-E990-1(2号車)の2両編成となっているが、本イベントにおいては燃料電池が搭載された2号車のみが展示されている。

ちなみに「HYBARI(ひばり)」という車名は、「HYdrogen-HYBrid Advanced Rail vehicle for Innovation」の略で、「変革を起こす水素燃料電池と主回路用蓄電池ハイブリッドの先進鉄道車両」をイメージして決められたという。

トヨタの燃料電池技術と日立の電動技術を融合

画像: 燃料電池車のFCスタックにあたる部分の開発をトヨタが、駆動システム全体の構築は日立が担当する。

燃料電池車のFCスタックにあたる部分の開発をトヨタが、駆動システム全体の構築は日立が担当する。

ハイブリッド車両「HYBARI」は、JR東日本、トヨタ自動車、日立製作所の3社協力のもと開発された試験車両。車両上部に設置された水素タンクに充填された圧縮水素を床下に搭載された燃料電池に供給し、空気中の酸素と化学反応させることにより電力を得る仕組みだ。この燃料電池に「MIRAI」などの燃料電池車で培ったトヨタの技術が応用されている。

JR東日本は「ゼロカーボン・チャレンジ2050」をスローガンに、グループ全体で2050年度までにCO2排出量を実質ゼロとすることを目標として掲げており、「HYBARI」の試験導入もそのチャレンジの一環と位置付けられている。そんな同車の開発時のコンセプトとして「鉄道技術と自動車技術の融合」を謳っていた経緯もあり、本イベントでの展示に至ったようだ。

FV-E991系 仕様

車両構成:2両(1M1T)
最高速度:100km/h
加速度:2.3km/h/s
航続距離:約140km(最大)
主回路装置:電力変換装置(VVVFインバータ)、1C2M×2群、主電動機 95kW✕4
燃料電池装置:固体高分子形 60kW✕4
主回路用蓄電池:リチウムイオン電池 120kWh✕2
水素貯蔵ユニット:最高充填圧力 70MPa(大気圧の約700倍)
水素貯蔵容量:51L✕5本✕4ユニット

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