角田は痛恨の接触で後退、上位入賞の絶好機逃す
規定数超のパワーユニット交換によるグリッドペナルティによって18番手グリッドからのスタートとなったアルファタウリの角田裕毅は、8周目に前車を抜き損ねてコースオフした影響もあって翌周に誰よりも早く1回目のピットインでハードタイヤへ交換。
そこからハイペースで追い上げ、33周目のセーフティカーの出動時に定石のタイヤ交換ではなくステイアウトを選択し直後に赤旗が出されたことで一気に8番手まで順位を上げることに成功する。しかも残り周回を新品のハードタイヤで走れるという有利な状況となり、さらなる上位進出の期待が高まった。
しかし、再スタート後の49周目にターン1で前を走るオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に仕掛けた際に接触、コース外に弾き出されてしまう。
角田はその後12番手まで追い上げたものの無情のチェッカー。アルファタウリとしてはチームメイトのダニエル・リカルドが7位に入っただけに、絶好のダブル入賞の機会を逃す形となってしまった。
タイヤを供給するピレリは「レースは週末を通して最高気温の中で行われ、スタート時の路面温度は52℃でした。この気温の上昇とトラックの進化により、ミディアムタイヤが最も効果的なコンパウンドとして浮上してきました。 ハミルトンやノリスがそうであったように、積極的にミディアムタイヤを装着したドライバーが、終盤に向けてラップタイムを落とすことなくアグレッシブな走りを見せました。ただ、セーフティカーと赤旗により、1ストップと2ストップのどちらの戦略が最速であるかを判断するのが複雑になりました。そんな中で2ストップのフェルスタッペンはセーフティカーのおかげでポジションを失うことなく2回目のピットストップを行うことができました。絶好調のドライバーにはよくあることですが、運も彼に味方したようです。フェステストラップはハミルトンが最終周にミディアムタイヤで記録しています」と分析している。
グランプリはすぐさまブラジルに移動。次戦第21戦ブラジルGPは、11月5日、ブラジル・サンパウロ近郊インテルラゴスのアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェで開催される。(文:新村いつき)
2023年F1第20戦メキシコGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 71周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+13.875s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +23.124s
4位 55 C.サインツ(フェラーリ) +27.154s
5位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +33.266s
6位 63 G.ラッセル(メルセデス) +41.020s
7位 3 D.リカルド(アルファタウリ・ホンダRBPT)+41.570s
8位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+43.104s
9位 23 A.アルボン(ウイリアムズ・メルセデス) +48.573s
10位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+62.879s
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12位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+78.982s
リタイア 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)
ファステストラップ 44 L.ハミルトン(メルセデス)
2023年F1ドライバーズランキング(第20戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)491
2位 S.ペレス(レッドブル)240
3位 L.ハミルトン(メルセデス)220
4位 F.アロンソ(アストンマーティン)183
4位 C.サインツ(フェラーリ)183
6位 L.ノリス(マクラーレン)169
7位 C.ルクレール(フェラーリ)166
8位 G.ラッセル(メルセデス)151
2023年F1コンストラクターズランキング(第20戦終了時)
1位 レッドブル 731
2位 メルセデス 371
3位 フェラーリ 349
4位 マクラーレン 256
5位 アストンマーティン 236