2023年10月31日、マツダは3列クロスオーバーSUV「CX-8」を2023年12月下旬で生産終了予定と発表した。そこで、CX-8とはどんなクルマだったのか、また後継モデルについても考察してみたい。
一時期は日本でいちばん売れた3列シートSUVだったが・・・
CX-8はマツダの3列クロスオーバーSUVだ。現行型が初代で、2017年4月に発表され、9月から受注を開始、12月に発売された。CX-8は、大胆に言ってしまえばCX-5の3列バージョンだ。CX-5のプラットフォームをベースに、北米仕様のCX-9のものも組み合わせて作られた。
ミニバンをラインナップしていないマツダとしては、ミニバン的に多人数乗車が可能なクロスオーバーSUVとして、CX-8は注目を集めた。しかも、3列目はエマージェンシーではなく、大人が2人座っても十分なスペースを確保していた。
また、マツダでは3列目シートの安全性を重視し、法規に加えてマツダ独自の基準を追加して開発している。たとえば、CX-8ではリアフレームをまっすぐに配置した「ストレートフレーム構造」や、Cピラー下の二又構造を採用して、乗員空間をしっかりと守っている。
それゆえ、2018年と2019年には国内3列シートSUVでは販売台数第1位を記録するほど人気を集めた。また毎年、年次改良というべき変更が施され、2022年11月には大幅に商品改良された。前後バンパーやランプ、グリルなどのデザインが変更され、新グレードや特別仕様車が設定された。
今回、マツダでは以下のようなコメントを発表している。
「CX-8」は、「走りやデザインを諦めたくない。でも家族や友人ともドライブを楽しみたい」と考えるお客さまに対し、多人数乗用車の新たな選択肢としてマツダが提案し、2017年に発売しました。導入以来、日本のファミリーのための3列シートクロスオーバーSUVというカテゴリーを創出し、長い間たくさんのお客さまにご愛顧いただきました。誠にありがとうございました。